63、佐々木絵美の虚しい自信

それからも西軍メンバーにて女子会が続いていた。


和の舐められない談義。

ゆりかの体力談義。

永遠のあざとい談義。

円の男子を寄せつかせない談義。

美鈴の行動力談義。

星子の男の視線を集める談義。

理沙の男子意見談義。

咲夜のコーヒーの淹れ方談義。

遥香の巨乳談義。

絵美のオシャレ談義。

美月の話題の引き出し方談義。

ヨルの拷問談義。


計12個のカリキュラムがマスターの喫茶店にて行われた。

当然、こんな欲望まみれな授業を他のお客には見せられない判断をしたマスターよりいつの間にか貸し切り状態にされて『好きにして』と言われて店から離れていた。


ヨルによる最後の拷問談義を終えた頃には既に夜になっていた。

それを見計らったかのように買い出しに行っていたマスターが帰ってきてたくさんの食材を手にしていた。


「はぁ……。13人ぶんの食材は多いね……」


わざわざ車で買い物に行っていたマスターに全員で頭を下げると「好きでやったことだから」と笑うのであった。


「マスターは休んでいてくれ!あとはあたしたちが料理するからさ」

「よくやったマスター!減塩醤油を買ってきてくれたか!」


ヨルと咲夜が慣れた様に厨房に立ち、食材の袋をごそごそと漁っていた。


「久し振りにこの邪魔になっていたバカデカイ鍋を使う時が来たな」

「はは……」


昔、妻であった木葉が『これでウチがお客さんに料理を振る舞う!』とやる気に満ちていた時に買っていた業務用鍋を娘の咲夜が持ち上げていてマスターは嬉しく思っていた。

それと同時にコミュ力は低くてもたくさんの友人に囲まれた娘の姿が親として嬉しかった。

高い夕飯代になったが、別にいいやと自分のポケットマネーで支払った。


お金を気にした美月が支払うと言ったのだがやんわりと断り、「次から常連客として来てくれたら良いよ」とちゃっかりした返事だけはしておいたのである。


「とりあえずすき焼きにするけど良いか?」

「えー、闇鍋にしようよヨルパイ」

「1人でやってろ」


和を軽くあしらいヨルはテキパキと準備はじめる。

咲夜、絵美、永遠もヨルを手伝い、他の人たちで食器を出したり、テーブルを拭いたりしながらと夕食の準備をしていた。


「…………」


マスターだけは休ませてもらいながら彼女らの働きを感心しながら見ていた。

全員の手際の良さ、スペックの高さ、団結力と申し分なかった。


「…………誰が嫁になっても困らねーな」


秀頼のことを考えながら、この中から1人を選ぶ難易度の高さにマスターも同情せざるを得なかった……。




─────




「お風呂!お風呂!」

「お風呂!お風呂!」


絵美と遥香が大浴場に向けてワクワクしながら歩いていた。

サンクチュアリでのすき焼きが終わり、マスターと別れて次はお風呂ということになる。

本来は美月のマンションにて順番で風呂に入る予定だったが、理沙が「せっかくなら全員で大きいお風呂に入りませんか?」と意見を出したらほぼ満場一致で賛成の流れになった。


因みになぜ満場一致ではなかったのかというと……。


「…………この巨乳ヒロインばっかと一緒にお風呂とか馬鹿かな?」

「むしろ絵美は気にしないどころかルンルン気分だぞ……」


円と咲夜が言い出しっぺ巨乳女の理沙に対し、イラッとした気持ちを隠さずにはいられなかった。

円に至っては前世の方が胸が大きかった。


「あの時の胸を返しなさい来栖由美……」と小声で前世の自分に対抗心を燃やす。


「はっ!?円先輩と咲夜先輩が反対意見だったのってそういう……」


そのコソコソ話が耳に入った星子が理解してしまい、自分も反対するべきだったと後悔した。


「ま、胸盛れば良いよね!」

「おい、ウチらにも『キャラメイク』しろ」

「む、無理です!無理です!私しか対象に出来ないんですぅ!」

「星子、今日は胸盛るの禁止だからね!先輩命令よ!」

「お、おうぼう!」


咲夜と円の悪い先輩に引きずり込まれた星子である。


「姉者にせーちゃんに咲夜先輩も醜いなぁ……。もっと自分に自信を持たないと」

「……ふっ。円の妹を見てると自信が沸いてくるな」

「でしょ。私の妹だもの」

「のーちゃんもこちら側だもんね!」

「お前ら、私を舐めてやがんな……。舐めてると殺すぞ」


小さい組の足の引っ張り合いである。


因みに絵美は小さい胸を気にしているものの、彼女らよりは余裕があった。


『ふふーん。秀頼君はわたしの胸を褒めてくれたもんね』と彼女らに対し、心でマウントを取っていた。


それは、中学1年時まで遡ることになる。

プールでの出来事である。

秀頼、タケル、マスターの野郎共での盗み聞きである。


『なるほど、満点を上げたいくらいだ。……ただ、彼女に注目していただきたいのは発展途上の胸だね』


秀頼は発展途上の胸を絶賛をしていたのである。

それが絵美の自信に繋がっていた。

絵美の中で『秀頼はあんまり胸の大きさとか興味ない』と結論を出していたのである。
























ただ残念なことに、秀頼が本当に大好きな胸は永遠の胸である。

そして、永遠の胸はデカイ。

残念ながら秀頼も巨乳好きである。














秀頼が絵美の胸について語ったのはこちら。

第5章 鳥籠の少女

第95部分 51、男共は身体を評価する






次回、ようやく風呂回……?

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