イザナミ様の御裁可


イザナミ様の御裁可


「ところで身体は大丈夫なの?」

「冷凍冬眠の影響なら大丈夫です」

「それだけ?まあいいわ」

「それにしても大胆ね、私たちにお話があるのでしょう?」


「帝国は教団に中より食いつぶされている状態です」

「父はなんとか大貴族を打ち破り国をただそうとしていますが、軍も官僚も教団の信徒だらけという始末」

「ここに教団勢力の拠点の座標があります、出来ればこの拠点を破壊してほしいそうです」


「私たちに何の得があるの?云っておくけど私たちの組織、ネットワークはこの銀河なんてどうとも思っていないのよ」

「ただね、セマンゲロフというのはね、太古の昔から私たちが戦っていた組織の一員、というより裏切り者なのよ」


「『男性体』と称するのだけど、その男性体は今はいない」

「『男性体』の残滓は目障りということよ、それがこの銀河に存在している、帝国も貴女の云う教団も全てね」


「……それでは……」

「帝国が自ら残滓を取り除くならそれでいい、そういうことよ」


「まあ、そんなに泣きそうな顔をしないの、一つ手段があるわ、貴女次第ですけどね」

「教えて下さい!」


「ネットワークには献上品という制度があってね、自ら女奴隷として全てを捧げ、私たちの指導者であられるミコ様が受け入れれば、願いに耳を貸していただける……」

「後は貴女の女としての魅力次第なの」


「酷い話しですね」

「まあね、最初に嫌がった方は山ほどいるけど、本当に断った方はいるかしらね?」

「事実、似たような話があってね、そこの『ソンガイ帝国』の皇女は寵妃になっているわよ」

「良く云われるのよね、『ミコ様の前に出ると、どんな女のショーツもずり落ちる』ってね」

「まあ、会えば分るわ♪」


「私がその男の物になればいいのですか?」

 ここでリリスさん、大笑いをしました。


「ミコ様って女よ」

「えっ!」

 

「覚悟は分ったわ、良いでしょう、その教団の拠点を壊滅させればいいのね」

「その後、お父様とお話でもいたしましょう」

「私たちの軍事力を見てお話しする以上、譲歩は覚悟していただくわ♪」


 リリスさんからの報告を聞き、イザナミさんが確認しました。 

「そう、上手くいったのね、そのアンメイ皇女さん、覚悟は示したのね」

「そのようです」

 グレモリイさんの返事です。


「グレモリイさん、リリスさんが上手く交渉したのですから、まずはその教団の拠点、叩き潰しなさい」

「分りました」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る