返信を待つ間のひととき
帝国からの返信はしばらく時間がかかると思われます。
その間、リンダウ・ステーションに集結した五人の司令官は戦力増強に努めています。
申し合わせで、各『宝冠』号は物質転移装置搭載ステーション一隻を追加、九隻編成になりました。
さらに出来るだけ新型兵器の実戦試験もすることに、これは三軍統合司令部の要請に従うためですね。
さらには全部で五千五百人に増えた、選りすぐりの美女の村のためにインフラなんて整備をすることに……
イドル・リリーさん、これをすすんで引き受けたのです。
毎日、ベルクト村長からの話しを聞き、箱物なども作っているのです。
リンダウ婦人メディカルに入院中の子供達も無事に退院、孤児院や学校の為に、トゥイーニー・オートマトンやネーレーイス、ネーレーイス改、なども製造しています。
どこかで教師を調達しなければならなかったのですが、幸いといえばいいのか、奴隷商人の船には十人ほど元女教師もいたので、お願いしていました。
どこかの侯爵領ハレムの教師だったようで、戦費調達のために奴隷商人に売ったようです。
リンダウ・ステーションの自動販売機だけのレストラン、レイルロード・オートレストランでアルダト・リリーとイドル・リリーが、お茶なんてしています。
「良かったわ、教師経験者がいて♪」
「でもイルド、ハレムの教師よ、いささかあちらの専門的な授業がカリキュラムにあるわよ?」
アルダトさんが懸念を表明していますが、
「仕方無いわよ、五千五百人もいて、教師が出来るのは彼女達しかいないのよ」
「そうね、背に腹は替えられないということね」
「あの子達可愛いのよ♪」
イドル・リリーさんがそんな事を言っていると、幼稚園から帰る子供達が通りました。
「イルドのお姉さんだ♪」
だだっと走ってきて、イドル・リリーさんにまつわりついてきます。
「イルドのお姉さん、遊んで♪」
「良いけど何するの?」
「だるまさんがころんだ!」
「よし♪最初はお姉さんが鬼になってあげるわ♪」
「わーい♪」
でイドル・リリーさんは、
「だ~る~ま~さ~ん~が、ころんだ!」
なぜか、アルダトさんが動いてしまって、
「アルダトがころんだ!」
以来、アルダトさんも、『アルダトのお姉さん』になりました。
勿論、『キスキルのお姉さん』、『ガエネロンのお姉さん』もいます。
でもね、リリスさんだけは、『リリスのお姉さん』ではないのです。
「あっ、『リリスのお母さん』だ♪」
「なんで私だけママなの?見てくれは変わらないと思うけど……凹むわ……」
「リリス様、『おばさん』といわれないだけ良いではありませんか?」
「たしかに『おばさん』なんて云われたらショックよね……」
「そういえばこの間イザナミ様がやって来て、『イザナミおば様』と云われて、複雑なお顔をされておられましたね」
リリスさん、結構笑ったのです。
FIN
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