イドル・リリーの戦い
ミコさん、つまりヴィーナスさん、相当にご立腹のようです。
それはそうですね、人身売買と麻薬取引、この二つが明るみに出てきたわけです。
「これはもう、その海賊どもを殲滅しなくては……それで帝国と全面戦争になったら、この銀河、無くなるかもしれない……」
イドル・リリーさん、警備戦隊をリンダウ・ステーションへ戻すことにし、代わりに『イドルの宝冠』号を呼び寄せたのです。
ミコさん、海賊の拠点である三隻の巨大宇宙船の座標を示しています。
どれもシェルターステーションより少し大きい船のようですね。
ポートロイヤル号、トルトゥーガ号、ナッソー号……
トルトゥーガ号には『アルダトの宝冠』号、ナッソー号には『キスキルの宝冠』号……
海賊達はほとんどはこの三隻のどれかに、根拠地をおいているようです。
ポートロイヤル号を根城としているのが、先ほどの十六隻、めずらしく全艦そろうようです。
『イドルの宝冠』号はポートロイヤル号のすぐ近くに転移、係留していた海賊船十六隻をマグネター砲搭載ステーション五隻の連射で破壊、そのままポートロイヤル号の機関部あたりを破壊したのです。
「友鶴、全艦突撃、海賊どもを皆殺しにしろ!」
友鶴って本来はホモサピエンスの揚陸艦ですが、別に小型陸戦ロボットでも良いわけですからね。
即席で友鶴を十二隻つくり、小型陸戦ロボットを満載して突っ込ませたわけです。
強襲揚陸機能という物を友鶴は装備しており、このような宇宙要塞への強襲揚陸も可能なのです。
二千四百台の小型陸戦ロボットが突入、まず男は海賊と見做し処分。
抵抗した女も処分、残りの女は深層心理を探査、海賊だった者は処分……
信じられないことに三千名ほど保護したのです……
さらにはトルトゥーガ号から千二百名ほど、ナッソー号から九百名ほど…保護した奴隷船の少女が百名……
合計で五千二百名……どの方も巨乳で美女……とくに奴隷船の少女は飛び抜けて美少女、十三四歳というのに……たわわにお育ちです。
「まったく……『リンダウ・ステーション』の定住用住居を拡張しなくては……面倒な……」
お陰で海賊などという無粋な輩は消えたのですね。
「六歳の幼女も含めて子供さんが百名ほどおられますが……孤児院が必要なのでは……」
この方達の面倒は、ルイーゼ・バーデンさんが引き受けてくれました。
孤児院と寄宿舎を設立するという約束と引き替えですけどね。
といっても美幼女さんも含めて奴隷船の少女たちは、かなり衰弱しておられて臨時に設立した婦人メディカルにまだ入院中。
退院するまでにはもう少し時間がかかります、それまでに女児用の寄宿舎、小学校はありますので幼稚園を設立。
さらにお菓子など持って婦人メディカルにお見舞い……
「お姉ちゃん、ありがとう♪」
子供たちの純粋な気持ちに、いささかドキッとしたイドル・リリーさん。
どうも子供には弱いようですね。
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