救出


「イドル・リリー様、友鶴にはオプションで人員輸送船の水鳥型と病院船の駒鳥型があります」

「千鳥型で構成された警備戦隊に駒鳥型を製造派遣してはいかがですか?」


「駒鳥型?初めて聞くのだけど病床はどれくらい?」

「百二十床です、一応医療装置と看護専用ロボット二台、さらにトゥイーニー・オートマトンも二台も乗っています」


 人員輸送船の水鳥型と病院船の駒鳥型も、このたびのヨミの新型艦シリーズの中に入っているタイプで、そのほかにも色々あるようです。

 戦闘艦艇以外にも後方支援などの補助艦のお手軽シリーズを、三軍統合司令部では用意しているようなのです。


 わりかしガチで、マイクロ・インフェニティ・カーゴで作れる範囲のもので宇宙探査、そして開拓をするつもりのようです。

 抵抗する現地勢力があっても、この小型艦艇群で対処するつもりなのです。

 当然ですが人的資源は最小限にしか投入するつもりはないようですね。


 水鳥型や駒鳥型は基本的には現地の人類用、従って積極的なアナウンスなどもなく、イドル・リリーも知らなかった、というようですね。


 救助の為の警備戦隊は真鶴(まなづる)型を旗艦に、千鳥型四隻、初雁型四隻、友鶴(ともづる)型四隻、そして駒鳥型一隻……

 で、イドル・リリーさんが直接乗り込んだのです。


 駒鳥型にはベルクト村長の侍女さん、ルイーゼ・バーデンさんに乗ってもらったようです。

 この方、シュヴァーベン公爵の親族の一人、バーデン辺境伯の娘さんだそうです。


 なんでも二十八歳とか……やはり巨乳さんです。

 ちなみにシュヴァーベン・ベルクトさんは五十三歳とか、お歳には見えない美魔女さん、巨乳も割とたれてはいないというか……

 イドルさん、すこしばかり我が胸を気にしてしまうようですね。


 十四隻の戦隊はかなり帝国領に入り込んで、やっと大破した女奴隷船を発見、友鶴(ともづる)型が強制的に頑丈な貨物室横に接舷、貨物室に穴を開けたようです。


「百三名の少女を発見、ほとんどが脱水症状、かなり衰弱しています、ただいまより檻を切断、救出します」

 友鶴(ともづる)型が少女たちを救い出している最中に、帝国の艦艇が探知されました。


「帝国艦は何隻か!」

「十六隻です!帝国艦は当方には気づいていないようです、一隻は大型艦です!」


「戦闘艦か?」

「違うようです、すこしお待ち下さい……通信を傍受できました……」

「海賊のようです、大型艦は海賊同士の交易船のようです」


「傍受した通信の内容をこちらに知らせよ」


 内容は雑多な物でしたが、海賊は三グループのようです。

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