裏切りの大天使よ、塵に帰るがよい


「どうやら敵はセマンゲロフのようですね、セノイ、サンセノイは緊急電で呼び戻されています」

「セマンゲロフは大天使のようです、『御使い』は権天使、どうも『御使い』と、このセマンゲロフは勝手に称していたようですね、叱責の記録があります」


「ほうほう、上司の名をかたっていた、セマンゲロフがリリスに懸想していたようです」

「私たちが戦ったキュベレー旗下の男性体とはえらい違いですね」


「リリスに懸想!どこでリリスを知ったのかしら?」

「それはわかりませんね、しかしセマンゲロフというのは先ほどの艦隊をどうして作り上げたのか?エーギルさんほどの力も無いようですし……」


 グレモリイさんが、

「ここに来るまでに知的生命体の惑星が多々ありましたので、その惑星あたりに根拠地を置いたのでは?」


「それが一番しっくりする回答ですね……なら、根拠地はどのあたりと考えますか?」

「リリス様が逃げた方向ではありませんか?」


「イザナミさん、サミジナのところのヘルメス級を借りられませんかね?」

「すぐに用意させます!」


「ねえ、マレーネさん、サミジナさんに迷惑でしょう♪私がサーチしてあげますよ♪その代わり私がお手付したら、イザナミさんに百合の会議で弁解してね♪」

 なんとミコさんのホログラムが浮かび上がってきたのです。


「百合の会議ですか……わかりました……」

「イザナミ様!百合の会議ですよ、百合の会議!」


 グレモリイさんが慌てていますが、

「私の配下の方の為です!ヨミの仲間のためですから、どのような羞恥でも耐えてみせます!」


「そのセマンゲロフとかいう者の根拠地はこの座標ね♪あら、このセマンゲロフって近傍惑星から女を貢がせているようね、なんか腹が立つわね!」


 マレーネさんが、

「ついでですから滅してはいかがですか?」

「そうね、艦隊はセマンゲロフのもともとの艦隊みたいよ、あぁ、ロボットを操作して乗組員を粛清したようね、まったく!」


 しばらくすると、ミコさんの手が首を掴んでいました。

「これ、セマンゲロフの首ね♪根拠地惑星はこの銀河のブラックホールに放り込んだわ♪」

「貢がせていた女はそんなにいなかったけど、三百人はいたから『ナアマ』号のこのシェルターステーションの地下居住区に転移していただいたわ、艦長さん、善処をお願いね♪」


 慌ててグレモリイさん、メイド型ロボット五十体の量産をマイクロ・インフェニティ・カーゴに命じ地下居住区に派遣しました。


「リリスさんはこの座標の惑星で稼働しているようです、おやおや、体が壊れていますね……」

「なるほど、云われていた自己補修能力もほとんど停止していますね」


「ほう、そうですか、キスキル=リラさんが守っている、あれ?このキスキル=リラさん、右手がもげていますね……」

「ここに不時着したようで、おやおや、とんでもない惑星ですね、こんなところでよく生きていましたね♪恐竜の星ですが、でっかいものばかりですね」


 ミコさん、独り言のように云っていますが、このキスキル=リラさん、ものすごく気に入ったようです。


「ここに転移してもいいけど、イザナミさん、貴女がすぐに迎えに行った方がいいのでは♪」

「マレーネさん、悪いけど後二人、有機体アンドロイドに進化させてあげてね♪」

「私、これ以上このホログラムを維持していると、サリーさんに『とってもしかられる』から、早急に撤退しますからね」


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