男は何処にいるの!
「そろそろ男どもが出てきてもいい頃だが……」とグレモリイさん。
「そうですね、拍子抜けしました」と副長。
「ところで副長、名前は欲しいかね?どうも役職名で呼ぶのはね」とグレモリイさん。
「製造番号が名前なのですが」と副長。
「これからガエネロンと呼びたいが?」とグレモリイさん。
「構いませんが?」と副長。
「ではガエネロン副長、私の四番目の副官を命じる」とグレモリイさん。
グレモリイさんの副官はゴモリー、ガモリー、ゲモリーの三人、どうやら相当にこの統括人工知能を気に入ったようです。
グレモリイさんが、
「そこでだガエネロン、『ナアマ』号を分割して先遣部隊をつくり、貴女にそれを率いていただく」
ガエネロンさんが、
「それは危険ではありませんか?未知の領域で戦力を分散するのは」
グレモリイさんは、
「各個撃破にあうというのだろう?まあ聞いてくれ」
「この船にはマイクロ・インフェニティ・カーゴオプションステーションが一隻ある、これで分割戦力を補強する」
「先遣部隊は、トライアングル結合シェルターステーションとして、マグネター砲搭載ステーション二隻と広域探知オプションステーション一隻」
「現在の防衛戦隊は三倍増して十五個戦隊、そのうちの五個戦隊を貴女に託す、それで互いの広域探知オプションステーションが重ならないぎりぎりまで先行して欲しい」
「なるほど、レーダーピケット艦の構想ですね」とガエネロンさん。
グレモリイさんが、
「それもあるが強行偵察の意味もある、とにかく男どもを見つけなければどうにもならない」
ガエネロンさんが、
「では、こんな案はどうでしょう?」
ガエネロン副長の案とは、ショートワープぎりぎりの地点にミリタリーヤードとして防衛戦隊を設置、先遣部隊が進出して領域を確保、本隊がワープしてきて、再びミリタリーヤードを設置。
「簡易鉄道みたいな物ですが、これなら進出も後退も安全、いざとなったら最大戦力が瞬時に集結できます」
グレモリイさんが、
「なるほどな……いささかのんびりしているが、確実に探査できる……しかし……」
ガエネロンさんは、
「ショートワープの防衛戦隊は結合ミリタリーヤードとコンテナ六隻、ショートワープポイントを設定しておけば、コンテナ三隻を警備に残して、結合ミリタリーヤードとコンテナ三隻で戦闘中の味方に増援できる」
「いざとなったら撤退も可能というわけです」
「その上でいうのですが、一個防衛戦隊なら敵もなめてかかってくるのではありませんか?」
「なるほど、わかった、副長の案でいこう!」とグレモリイさん。
マイクロ・インフェニティ・カーゴオプションステーションは以来、防衛戦隊を量産し始めました。
ショートワープポイントは約一日の行程ごとに置くこととし、余った防衛戦隊はソロモン宇宙のワームポイントステーション予定地点で待機させることとしました。
ここには、警備ステーション群もワームポイントステーション完成まで、警戒待機しています。
この待機防衛戦隊は、警備ステーション群司令部も歓迎してくれます。
マイクロ・インフェニティ・カーゴがどしどし作る防衛戦隊で、ワームポイントステーションの防備は強固になりました。
二日目……リリスさんも『御使い』も影も形もありません。
とにかく、このポイントに防衛戦隊を配置したグレモリイさんとガエネロンさんです。
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