【03】第2話 : サントリオ聖堂〈2〉
「今日は、それくらいで
「あらっ! アクアディーテ
エルクが、全ての警察隊員に
「ほら! ゼンさん!
注意を受けた彼女が、
見るからに知的で、クールビューティな女性だ。
本部きっての切れ者捜査官だと、俺はゼンから聞いている。
先日、ヤマザキ診療所にも、
「先程、外で、お話しさせて頂いた
オルドが『やはり』と言った態度だ。
いつの間にかに、アクアディーテは店内に入り、事の一部始終を見ていたのだ。
「あらっ! ゼンじゃないかしら? こんな所に飛ばされていたのね。知らなかったわ」
「へっ! とぼけんじゃねぇ…
アクアディーテが、片耳を『クイクイ』と、
「まあ! ゼンさん! 本部主任に対して、何て、失礼な態度なのっ!」
エルクの声が、ヒステリックに
「いいのよ…エルク
「あぁ出来りゃ~。 記憶の底から消えて欲しい、クサレ
ゼンが吐き捨てるように言う。
アクアディーテが、正面を
「ホクトさん。
でも…全ての容疑が晴れた訳でもないのよ。 これからも、
彼女は冷たい流し目で、そう言い残すと自分が最後であるのを確認して出ようとした。
─すると。
「おいっ! ちょっと待てよ!!」
ホクトが呼び止める。
「それなら満月の夜は
彼女は
さっき
─それを、ゼンが破る。
「これで、アタシはマザー・オルド! アンタとの貸し借りは無しだ!」
シスターに向かって無礼な発言に、俺は
「あんなクソオヤジでも、アタシにとっちゃあ、二人と
話の内容は、こうだ。
過去にゼンの父親が、マザー・オルドに
その恩返しと言うのが、本日のサントリオ聖堂への突然のガサ入れを、事前に
「ゼンさん…。私は何も、
「まぁ…
それに、アイツ…アクアディーテの好き勝手にさせるのは、どうにもしゃくに
「オイ! ゼンそれはどう言う意味なんだ?」
俺は、何の事だかサッパリ分からず
「今日のガサ入れの目的は、ホクトじゃ無い! マザー・オルドだ!」
「何だと! シスターが真の
「ああ…もしホクトの身柄確認が目的なら、あんなに大勢で乗り込んで、
「なるほど…
アクアディーテの
だから、警察本部の隊員は外を厳重に
しかし、予想外にもシスターは、アクアディーテに事の事情を聞くと、ホクトを説得する
ここでも、彼女は、オルドへの話しの中に
事前に、オルドが100%、ホクトの体に傷がない事を知っているなら、自ら提案して
シスターが恋人でも無い男の体について、詳しく知るはずもない。
つまり始めからの、オルドの冷静な行動は警察内に内通者が居て、情報が
その
「それに、ヤブザキ! お前も、もしホクトの体の
「だから、サウス・シルバーナ署を通さずに、俺に直接、要請があったのか!」
「それも、アクアディーテの罠だったはずだ。お前も協力者として
─だとしても…。
一つ気になる。
「
「アホか! ヤブザキぃ~! アクアディーテは、元・
「なぁんだ同業者かぁ…。じゃあ自分で、判断出来るわなぁ…。
イヤイヤ! と言う事は、始めっから俺は、彼女に
─あんな
「今日の事は、もちろんアタシは秘密にしておく…心配はいらねぇ!」
ホクトが『コイツは
ゼンが、
「このヤマザキって男も、金にもならない密告なんてしねぇよ。
それになぁ…お二人さん。
次に会った時は、アタシがアンタ
それを聞いたホクトが瞬時に一歩出ると、ゼンが右手をピストル
「ホクト…」
マザー・オルドが優しく制する。
「ゼンさん…。今日の
しかし、私達二人は、何も
オルドは、頭を下げた。
「へっ! どうだか! アクアディーテって女は、全く気に食わなねぇがよ。あの切れ者が、アンタ
そう告げると、ゼンは背中に
それでも、マザー・オルドは、振り向きもしない彼女に深々と一礼する。
ホクトは
「まあ! ゼンさん! 遅いじゃない! 何をそんなにモタモタしていたの!」
エルクが、撤退の準備が終わったのにも
「ああ…何でもありませんよ! 今後いつでも、
「まあ! そうだったの…ご苦労さま。 でもねぇ…見たでしょう…ホクトって言う男! イイ男ねぇ…食べちゃいたいわぁ。 特にアノ、クイッと上がった、お尻! 今度、私一人で、お茶に
「課長!! それ、ただの職権乱用じゃないですかぁ…」
エルクは、筋肉で盛り上がった太い腕で『チガウ! チガウ!』と振り
「
「どう見たって、課長の趣味じゃないですかぁ…!」
「なぁに言っているんですか! そんな下らない考えに、気を回してるヒマが有ったら、早く署に帰って、
命令を受けたゼンが、イヤイヤ帰りがけると、フッと何かを思い付いた様に振り向いた。
「でもなぁ…ホクトのヤツ…筋肉質な男性に興味がある様な事言ってたようなぁ…
アレ! どうだったかなぁ…」
エルクが光速で反応する。
「ええ! その話は本当なの!
「ええ…イイですよ! あっ! でも、署で話すのは何ですから…課長の
「イイわねぇ…! ゼンちゃん! でっ、ホクトは、どう言った男性の筋肉が、お好みなの…!」
「課長! それがですねぇ…年上の男性の…」
ゼンは『してやったり』と、俺にウインク一つ残して、課長と仲良く村を後にした。
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