【08】第1話 : ノース・ビレッジ〈3〉
『プシュー! プシュッ! プシュッ!』
「あぁ…ピートに使う
サンゴさんが、ワシ
しばらくすると、
「
「じゃあ…サンゴさんも、その
「イヤァ…アタシの前職は、
彼女は天井を
「フシミが残していったものは、
と本気で
「それに…ウイスキーは、最低でも10年、ゆっくりと
って言う事は…
このアッケラカンとした言い草には、ワシ
「もっとも…アタシのお腹に、ルージュを残してくれたのが、何より
今日初めて、お会いしたサンゴさんじゃったが、古い友達の様に、打ち解けた時間を過ごせて大満足じゃった。
「ローハイドさんさえ良ければ、毎日おいでよ! 内の
「あぁ…そんな風に言って頂けると、私も御好意に甘えさせて頂き、娘と
その日から、ローハイドさん親子は毎日、
お
半年程すると、二人から結婚の報告があっただ。
それを聞いたワシも、大変喜んだ記憶がある。
─本当に
ワシは、結婚式の当日、ゴールド・ヒルズの頂上に在る、セント・スワン大聖堂に
少し早めに、待合室で席に着いていた所に、少し大きめなんじゃろうか? 胸が広く
─とても
「あぁ…イケナイ! 部屋を間違えましただ!
ごめん下さいませ」
ワシが、
「なぁに言ってるのさっ! キサブローさん!
アタシだよ! サンゴだよ! 」
「えぇ…確かに…声はサンゴさんじゃけんども…こりゃあいったい…?」
「キサブローさんもびっくりしたでしょう! 私も、初めての時は、
彼女の後ろから、
彼の胸には、まだ寝ている二人の娘が、大事に
「アタシ達、ウィザードリーの女性は、12歳頃から、月に一回、一週間程を掛けて脱皮するんだよ…。この期間は、肌は
「彼女の月一の脱皮が
あくびを、大きくした娘達が、次々に泣き出した。
「おぉう…眠り姫が、お目覚めじゃあ!」
サンゴさんがシルクちゃんを、ローハイドさんがルージュちゃんを、あやしている。
─夫婦共に、分け
式が始まると、ワシとサンゴさんが、娘達を抱いて待つ
夫妻の
何よりも新郎新婦の幸せそうな表情が、強く印象に残ったんじゃ…。
それからのローハイドさんは、ワシの勝手な言い
決して豊かな生活では無かったはずじゃが、
─しかし、そんな幸せなローハイド一家にも、
結婚して数年が
自社のウィスキーが
つまり、借金の相手が、銀行からG・Gファミリーに移ってしまったという事なんじゃ。
どうやら、ヤツ
土地が安い今の内に、
ローハイド一家にも、魔の手が
ヤツ
『借金を全額返済出来なければ、土地を
と一方的に
ワシが事のてんまつを聞いたのは、
あれから10年は、過ぎたんじゃなかろうか…。一通の手紙がワシに届いた。
送り主は、ローハイドさん。
久しぶり、
30分、車に
玄関前の階段には、二人の娘達とローハイドさんが、笑顔で待っていただ。
「わぁ~! オジ様~!」
「キサブロー、おじ様~!」
シルクとルージュが、勢い良く飛び付いて来た。
「可愛い、お
「私達! 16歳に成りました!」
利発そうなルージュが、お姉さんらしくハツラツと答える。
「もう! お姉ちゃんズルイ! アタシが、答えようとしたのに…。 オジ様! 今日はゆっくりと、成されるのでしょう? お話ししたい事が沢山あるの!」
シルクが、割って入る。
「じゃが…二人共、当時は、まだ小さかったから、ワシの事は多くは覚えておらんじゃろうて?」
「何を、おっしゃるの! キサブローおじ様は、私達姉妹には、特別な方でしたわ。とっても優しくて、いつも気に掛けて下さっていてくれたもの! 忘れる訳がありません! ねえ! シルク!」
「本当よ! 村を離れた後も、お姉ちゃんと、ノース・ビレッジに居た時の話をする
「そうか…そうか…この老いぼれのワシに、まだそんな風に
「そらそら、ルージュ! シルク!
ローハイドさんの言葉に、背中を押された娘達は、
「お久しぶりです。キサブローさん…。本当に、お会いしたかったです。遠い所、ご足労ありがとうございます。どうぞ家の中へ」
彼が、礼儀正しく手をかざして
「こちらこそ、長い間、お会いしたかっただ…。本日は、お
そう互いに再会を
少し腰が引ける…。
先ほど、娘達に飛び付かれた時に、痛めた様じゃ。
─娘達が、美しく大人に成って行くのは、良いのだか…
ワシの様に、ムダに
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