【07】第1話 : ノース・ビレッジ〈2〉
『オギュウ! オギュウ! オギュウ!』
「ローハイドさん…。きっと、お腹を
広い背の真ん中で、赤ん坊が泣いている。
「先ほど、温めた粉ミルクを飲ましたばかりのなのですが…
「うぅぅん…。やはり、イカンかぁ…。じゃけん…この村には、
ローハイドさんの娘は、
そこで、近所の村まで訪ね歩き、乳が出る者を探してはみたが、
「なぁ! この村…ノース・ビレッジの
「えぇ…レンガ
「うぅぅん…村の者が言うには、そこの御婦人が、
「ありがとうございます。そうして頂けると、助かります。私一人では、どうも心細くて…」
─数日後、
〈 スモーキー&カンパニー 〉
レンガ
「『ゴホン!』ワシが、まず話してみるだよ!」
「キサブローさん。お…お願い
緊張する彼の代わりに、ワシが
『ゴン! ゴン! ゴン!』
「ごめん下され~。こちらの御婦人に、お
しばらくして内側から、ドカドカと足音が近づき、勢いよく
「あ~れ! 何かぁ用かねぇ?」
エプロンを胸から掛けた、ピンク
加えて、ソプラノ
「こちらの奥様は、
「えぇ…。私ですがぁ…?
彼女は、左肩に
「
ワシが、ダメ元で短く用件を伝えると、ローハイドさんの
「どうれ! 背中に
ローハイドさんは
「あんれぇまぁ…メンコイ
「シ…シルク…シルクと申します」
(
「本当に、シルクの様に、
彼女は、シルクに
しばらく、テーブルで
「あらぁ…内の
そう言うと、やはりドカドカと足音を
先ほどの談笑から、彼女の名前はサンゴさんと言い、ルージュと名付けた娘が、四ヶ月前に生まれたそうな。
しばらくすると、大きな花かごの中に、スヤスヤと
ルージュちゃんは、コチラもピンク色の
「お腹いっぱいに成ったようだね…しばらく寝かせておいたらいいからさぁ」
彼女は、そう言うと、お茶の準備の為に、再び席を離れた。
「
「えぇ…本当に親切な方で、ありがたいです」
家の中は、ウイスキーの香りが
そんな素敵な客間で
緑色の
「登山家の格好をしておるがのう…」
「えぇ…男性のウィザードリーですねぇ…」
ローハイドさんと、顔を見合わせる。
「ああ! その写真は、アタシの
サンゴさんが奥から、声を
彼女が静かにテーブルに着くと、グリフォンの卵を
「う…
「本当ですねぇ…グリフォンの卵が、こんなに
「今日の朝に新鮮なのが手に入ったんで、久しぶりに、お菓子でもと思ってさぁ。ちょうど、さっき焼き上がったんだ! いくらでも有るから、
加えて、たいへん
この
再び、ワシ
話によると、サンゴさん夫妻は、ウイスキー造りに適した土地を探して、6年前この村に移り住んだと言う。
じゃが、
当時のサンゴさんは、
─じゃが、その中で不運が
ここに、ノース・ビレッジを
この山には整備された登山ルートが無く、切り立った
サンゴさんの話によると、フシミさんは、何度も、この山頂に上り、研究調査をしていた様子じゃったが、半年前の、ある
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