すべてを賭けて忠誠を
姫宮未調
すべてを賭けて忠誠を
「坊っちゃま、わたくしは貴方の為ならばこの命、惜しくはございませぬ」
「だめだよ? 君は女の子なんだ。……死んだりしないで」
「心得ております。口上でございますよ。ご安心くださいませ」
「……ケガもいやだよ」
「坊っちゃまはやはり、お優しいですね。大丈夫、わたくしは負けたりしませんわ。必ずや守り抜いてみせましょう」
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「君! 大丈夫?! ケガしてるじゃないか!
」
「……」
「手当をしよう! 」
私は差し伸べられた少年の手をはねのけた。
「……触らないで」
見知らぬ場所、見知らぬ少年。
態度の悪い私に気にもとめず、彼は献身的に私を看病してくれた。
どこから来たかわからない私を。
いつしか、私の心は変化していった。
───だから今のわたくしは、彼のために彼の脅威を排除する戦闘メイドとなったのだ。
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「おまえが坊っちゃまを狙うものね。覚悟して」
狙う理由の抗弁なんてどうでもいい。
善悪なんてどうでもいい。
「わたくしはただ、坊っちゃまをお守りするだけよ。いづれおまえの主も倒し、坊っちゃまの危惧を無くす。───それが、あの日からの誓い! 」
わたくしは力強く足を踏み込み、敵に向かっていった───。
すべてを賭けて忠誠を 姫宮未調 @idumi34
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