第39話※
定児は膝を折りまげて屈み、頭を伸ばして、あぐらを描くような姿勢で座る機洞のそこの繁みをかきわけ、陰茎に美味しそうにしゃぶりついている。
定児の綺麗な吹き出物一つない健康なハリのある背中が汗を浮かべている様が、機洞の目下に淡い光を反射して鈍く仄白みながら映る。
「ククク………」
長い針を取り出しおもむろに定児の左の肩先に突き立てる。
「あぁあ!」
頭を朦朧とさせる術は依然とかかっているものの、神経の麻痺はほぼ取れて久しい定児は、突然の差し込んだ痛みに口からは男の陰茎が糸引く唾液と共に外れ声が出る。
針を突き刺された箇所からは突き刺さったまま血がポツンと丸く玉と溢れ、そして一筋となり流れ落ちる。
男は流れる血をペロりと舌でゆっくり舐めとっていく。
舐めとられる熱さにも定児の淫らな神経と自身の肥大は反応し、小さく呻いた。
「魔法をね、一つ、かけてあげる」
針は刺青を刻むための針であるらしい。
そのまま小さく皮膚を薄く縫われるように刺されていく。
薄皮に色をのせる過程で次から次へと血が溢れ出るが舐めとられながら手作業は進む。
針の痛みと舌の動きが疼く快感となって定児の脳細胞から全神経に反響されていく。
梵字をアレンジしたような得体の知れない記号が一文字刻まれた。
「これでもぉっと気持ち良くなれるはずだよ」
男は定児の指先に己が指を添わせ、定児の顔を上げさせると唇を交わした。
ここに囚われて性行為でない接触はこれが初めてであろうか。
男の唇と滑り込まれる動く舌からは血生臭い定児の血の鉄の味だけが漂い口腔を満たしている。
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