第17話

清町にまた悲鳴が轟いた。


発見されたのは社樹学園の学園長だった。

その顔は、電話口で怯えるような笑い声のような声を出して震えていた、あの男である。



今度は生きながら人が腐る瞬間を目撃者も目にしていたし、学園の防犯カメラにもきちんと映っていた。

目撃者はショックで心神喪失のような状態になっている。

事件のあった学園長室前の大廊下にはテープが張り巡らされ、人型のマークがヒモで型どられ地に描かれている。

実況見分に意外な人物の姿が見えた。


青森薔山だ。


刑事や鑑識に取り囲まれていた。


「青森総代……、やはりこれは呪詛で間違いないのでしょうか」


警察はノートパソコンに防犯カメラの映像を繋いで青森に見せている。


「とても禍々しい気が渦巻いてますねぇ~……」


青森の映像を見詰める目は険しい。


青森は防犯カメラの腐り落ちる被害者の姿を指でモニター越しにトントンと叩いて言った。


「かなり強い怨霊が被害者に重なって見えます。こいつを使役してる呪詛使いがいるようですねぇ~……」



「青森総代、や最清寺の住職と同じ位の霊力の持ち主なんですか?」


青森は意味ありげに喉だけで笑った。


「んっふふふ……、ふふ……。それはどうでしょう………。私や和尚以上かもしれませんよぉ。この力………は…………!」


喉は笑っているが目は笑っていない。

真剣にモニターを睨んでいる。


刑事達はおののいた。



「では、この犯人と戦える人物はいるのですか?」



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