第6話

気がついたら朝の光が眩しかった。

そして家じゃ無かった。

ベッドではなく質の良さそうな布団に寝かされていた。



目覚めた場所は、高い高い和式の天井、お堂のようなだだ広い吹き抜けた室内。真横には広い日本庭、窓はなく襖が開け放され空間が全解放されていて、外の風がそのまま俺の体の上を通り抜ける。そしてかすかに漂うこの香の匂い……。お寺だ、ここ。



「起きましたか」


一人のお坊さんが立っていた。

かなりの落ち着いた年齢で、俺の父とそんな変わらなそうだ。頭髪は勿論無い。


「ここは最清寺です。私はここの住職、金龍_こんりゅう_です」



最清寺!



「あなたは昨日、渉流君に担がれてここにやって来たんですよ」



「渉流が……」


名前に呼ばれたかのようにして本人が現れた。


「起きたか」



渉流が襖を開けて入ってきた。


「定児の親には俺から連絡した。ここに連れて来たのにはワケがある」


一呼吸置いて、渉流は俺に向かい放った。


「お前は、狙われている。昨夜の者にだ」



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