第40ミッション 社員旅行
里桜の部屋のドアをノックする。彼女の許可をもらい部屋に入る。
「準備はできたか?」
「うん!今終わったところ」
「社員旅行で大坂か。楽しんできてくれ」
旅行鞄のチャックを閉めて荷物をまとめ終える。里桜は三泊四日の旅行へ出掛け、Kも仕事で家を空ける。ここ2週間、Kは家にいたので、たった数日の別れでも惜しく思えた。Kは里桜のベッドに座り、里桜も隣に座る。
「ねぇ、リチャード。キスして……」
里桜にせがまれてKは唇にキスをする。『もっと…』と懇願され、食むようにキスをする。里桜がKの首に手を回してきて、顔が放せなくなった。舌が触れて唾液が混ざりあってくると、変な気分なった。Kは興奮する前に口を放す。
「もう休むよ。おやすみ」
そそくさと部屋を出るK。自分の部屋に戻り、気持ちを静める。危ない、勃つところだった。あれ以上舌を絡ませていたら、襲っていたな。里桜がサインを出している事には気付いていたが、全部かわしてきた。俺だって里桜とセックスしたいさ!当然だ!けど、まだダメだ。我慢しないと……。
次の日、里桜を送り出しマカロンをペットホテルへ預けた後、任務のためにJへ連絡を取る。
「J、今から福岡へ向かう。場所の指示を頼む」
『さっきメールしておいた。別に薬の回収なんて俺だけで良かったのに……』
「いいさ、俺が入手した情報だ。片付けも仕事の内だ」
Kは鞄を持って家を出る。一月前に逮捕された竜童・ネイサン・ロドリゲス。麻薬の買い付けと売買をしていた彼から、密輸ルートの情報を奪取していたK。ほとんどの麻薬は警察が回収したが、購買履歴には浮かび上がらないルートで運び込まれた麻薬がまだ眠っている可能性があった。その回収のために飛行機に乗って、九州へ向かう。Kは西側から倉庫を調べて大坂でJと落ち合う手筈だった。
もしかしたら、里桜とも会えるかも知れないと邪心が浮上したが、今は仕事に集中する。福岡の流通センターに忍び込み、商品棚を漁っていくつかの小包を持ち出す。車の中で中身を確認し、大麻を発見した。この作業を後30件はやらなければならない。大体は都市に集中しているが、徹底的に調べて再燃しないようにしなければならない。例えスカだとしても全部の倉庫を調べて行った。
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