第15ミッション 名無し
「あれ、Kは…?」
救出任務を終えたエージェント達は無事に拠点に戻り、拉致被害者を引き渡した。Kの読み通りに敵に見付からずに森を抜け、弾を1発も撃つこともなく
「さあ、ここに着いたらすぐに何処かへ行っちまったよ。別の任務へ向かったんじゃないか?」
「さすが!凄腕のエージェントだな。色んな現場に引っ張りだこか?」
H(イータ)とP(ロー)はKの武勇を称えたが、Φ(ファイ)だけは不服そうな顔をしていた。
「名無しのくせにな……」
『名無し』とは、Kのように孤児のエージェント達の事を言う。これは暗喩だが、彼らに名前がないのは本当の事だ。
「そういう呼び方は良くないぜ。生い立ちはどうあれ、彼らが優秀なのは事実だろう」
諜報機関にいるエージェントは様々な分野のプロフェッショナル達だ。弁護士、医者、国際警察、特殊部隊員など……、各方面のプロフェッショナルがスカウトされている。だが、K達の能力はそれを遥かに凌駕している。
幼い頃から訓練を受けていた事を鑑みれば、能力値が高いのは当然だが、それは諜報員として活動できる忍耐力と様々な事を修得する向上心あってこそのものだ。
「まあ、今頃はもっと過酷な任務に当たってるんじゃないのか?」
P(ロー)の予想は大きく外れ、Kは今羽田空港に降り立ち、明るいシャツとサングラスをかけて、バカンスを楽しもうとしていた。
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