エージェントと海
第14ミッション 救出任務
今は誰も住んでいない村を銃を持った連中が占拠していた。納屋のような建物の前にいる兵士を首絞めで気絶させ、中に入ると二人の男性がこちらを向いた。過激派組織に拉致されていた旅行者達だ。数時間前に銃を突き付けられた二人の動画がネットにアップされ、処刑される前にK達が救出しに来たのだ。
他のエージェントが二人の容態を確認している間、Kは逃走ルートを確認する。
「どうする?報告にあった以上に数が多いぞ。ポイントにも兵がいたし……これじゃヘリを呼べない」
ここまでは隠密に行動し気付かれずに抜けられたが、二人の民間人を連れて逃げるのは容易くない。Kは暗視ゴーグルをとって端末で地図を確認する。
「この森を抜けた先の平野に行けば、ヘリも呼べるはずだ。H (イータ)とΦ(ファイ)は二人を先導!P(ロー)は先頭を!俺が
「馬鹿か!森を抜けるだと!伏兵がいたらどうするんだ!保護対象もいるんだぞ」
「だが、ここが最短ルートだし、敵に見付かる可能性が低い。二人とも負傷は見られないから走れるはずだ」
「お前の『先読み』がいつも当たると思うなよ!」
「このチームのリーダーは俺だ。指示に従ってもらおう……」
軍人上がりのΦ(ファイ)は奥歯を噛むが、大人しくKの指示に従った。
俺の読みが当たっていれば、こちら側に見張りはいないはずだ。現地の人間も入らない森の先にヘリを要請する。時間通りに目的地に行ければ、拠点へ戻り8時間のフライト後に、日本に着ける。
無事に任務を終わらせて、日本時間の13時に、里桜と海水浴に行くんだ。
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