エージェントと水族館
第8ミッション 塩工場
Kは今、イラクのバグダッドに来ていた。郊外のある工場に潜り込み、製造品を調べている。
「あっと、悪かった」
Kはある男にぶつかってしまう。すぐに謝り立ち去ったが、その時にカードキーを盗んでいた。これを使って立ち入り禁止区域に入る。キーを当てて番号を入力し、中に入る。施設運営者の部屋とパソコンを漁り、工場内で生成されている成分のデータを盗み取った。
数分後に盗んだキーカードを持ち主のデスクに置いて、建物を後にする。用意しておいた車に乗り込み、Jに連絡を取る。
「結果を報告する。あそこでは生物化学兵器を作っている証拠は見付からなかった。ただの塩工場だ。詳細なデータは添付するから確認してくれ」
この工場は、生物化学兵器を製造し、過激派組織に納めているという疑いをかけられていた。事実を調べるためにエージェントが派遣されたが、蓋を開けてみれば真っ当な製塩工場だ。なんの問題もない。
武装した衛兵がいた事や何故か博士号を持つ生化学者が勤務していた事、無菌室があった事が誤解を生んでしまったのだ。
やはり、外からだけの情報では判らない事があるな。カチこむ前に調べてみて正解だった。
データを確認したJから、折り返しの電話がある。
『確認した。手間を掛けさせたな。待機に戻ってくれ』
今週末は水族館に行く予定だ。彼女からの誘われたデート、失敗がないように努めよう。
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