第2話

つまらない授業が終わり、渡されていた紙の案内図を見る。凄く雑に「ここやで!」と書かれていた。雑だがわからなくはない。


気ははっきり言って気が向かないが何となく部室に向かい、部室の扉を開けるとスマホを触っている女性がいた。


「あら?こんにちは、あなたが世界君?」


「はい、そうですけど部長はまだいないんですか?」


「もう直ぐ来るんじゃない?それより座ったら?私は如月愛子よろしく」


いかにも出来そうな雰囲気を持っている。身だしなみも綺麗だ。


「キメラ化事件って結構危ない気がするんですけど、許可してもらえたんですね。後は人数は何人ぐらいなんですか?」


「羽海と私と世界くんの3人だね。許可羽海が無理矢理と言うか強引に作らせたみたい表向きは探偵サークルって言う何でも屋みたいな事をするらしいよ」


ドタドタドタと走る音が聞こえるこれは恐らく部長だろう。


「皆んなーお待たせ!じゃあ早速始めるで!」


「何が始まるんですか?」


「世界は後から入ったからなぁ如月には悪いが一から説明させて貰うで!先ずはこの新聞の切り抜きに書かれてる情報やと都会や無くて田舎の方でキメラ化が増えてるそうや。それでたった1人では無く少人数で行われてるそうやで!」


「あのーやっぱり危険だと思うんですけど部長は怖くないんですか?」


「怖くはないで!自分がキメラ化したらしたで面白そうやないか!ライオンとかカッコええしな!」


「そう言えば話によると、キメラ化させた犯人が同志を増やしてるって説もあるみたいだけど羽谷はキメラ化したらどうするの?」


「仲間になるかも知れへんなぁ」


「えっ…阻止するのが目的じゃないんですか?」


「世界くん、羽海は元野球部員でレギュラーだったんだけど肩を壊してから何かこうなっちゃったの?」


「おい!如月!その話は禁止や言うとるやろ!」


「あのー部長、重症化した場合とか考えてないんですか?」


「世界、何言うとん!今日もどこかで誰かが死んで誰かが生まれとる!いつどこで何が起こるか分からん人生やないか!それやのにつまらん人生送っといたら勿体無いないか!」


確かに部長の言う通りの所もある。だけどキメラ化が怖くないと言ったら嘘になる。


「所で如月さんがこの部に入った理由は何ですか?」


「私は普通にキメラ化が嫌だからかな。こんな話もあるの。アイドルみたいに可愛い子の顔を豚にしたって話とかね。そんな人生絶対に送りたくもないし見たくもないからかな」


「そんな酷い話もあるんですか…」


「世界くんは?」


「俺ですか?俺はただ暇だったからって事ぐらいですかね。後はいや…何でもないです」


面倒くさそうなら辞めるって事を言い出したかったがトラブルの元になるんじゃないかと思い発言を引っ込めた。


「じゃあ部活始めるでぇ!2人はインターネットかSNSで情報を集める。ワイはちょっくら部員探して来るわ」


元野球って事もあるんだろうが足が速い、ドタドタと走り消えていった。









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