探偵サークルにようこそ!
天森
第1話
俺の名前は世界勇気17歳の学生だ。この世は魔法が使える世の中へと進化した。マナと言うエネルギーを科学者が発見してから10年が経ち、魔法を使える者達が増えてきた。今では魔法学校なども存在する。しかし魔法を使った殺人事件も増えて来た。魔法と言えば、火や雷などを出すイメージがあるが、今朝のテレビでは人をキメラ化させる事件が増えているそうだ。
体の一部がキメラ化する者もいれば全身、がキメラ化してしまう人もいるらしい。さらに重症化してしまうと、理性を失い人に襲いかかるらしい。
問題を整理するとキメラ化しているが人間だから殺してはいけない。だが人を襲うから殺した方が良いなどとテレビやSNSで報道されている。まあ、俺には関係ない事だが。
大事でも無い誰かがキメラ化したり、死んだりしても俺には関係のない事だ。大事にしてると言えば両親ぐらいで、友達も彼女もいない。
今は魔法高等学校こと魔学に通っている。俺は電気を扱う学部に入った。何となく面白そうと言う感覚で足を踏み入れたがその世界は甘くはなかった。小学校や中学校から魔法の授業を受けてる者に敵うはずが無い。高校から学び始めた俺は17歳にしてその現実を見て絶望してしまった。「敵うはずが無い相手と競いあってどうするの?」って。残酷かも知れないが彼らがキメラ化してしまえば良いと思っているぐらいだ。
10分ほど歩き、学校に到着した。今日も退屈な日々を過ごすのかと心の中でため息をつく。
「探偵サークル!誰か探偵サークルに入らんか!」
校門の前で誰かがビラを配っている。
「なあ!お前探偵サークルに入らんか?」
俺より身長が高く、日焼けしている。上級生かも知れないので取り敢えず敬語を使う。
「俺ですか?」
「そうそうお前やお前!今は起きている事件のキメラ化を解決するちゅうサークルや!」
「いえ、大丈夫です」
「お前学校楽しいと思っとらんやろ?」
「なぜ、そう思うんですか?」
「探偵やからな!って、言うのは冗談でお前の目が輝いとらん。死んだ魚の目をしとる。人生変えるのは今がチャンスかも知れへんで!」
「人生を変えるチャンス?」
「せや!自分が動かな人生変わらんで、どや?お試しで入らんか?」
確かにこの人の言う通りかも知れないが人間関係にはうんざりしている。だが人生を変えたいとは思っている。出来るならもう一度小学生からやり直したいぐらいだ。
「じゃあ、取り敢えず仮で入ってみます。つまらないと思ったらすぐに辞めますんで」
「よっしゃ!部長として簡単には辞めさせんで!おもろうしてやる!この用紙に名前を書いてくれ!」
言われるがままに俺は自分の名前を記入した。
「世界勇気言うんか!ワイと同じで変わった名前しとるな。ちなみにワイは羽海真」
「破壊神?それはギャグですか?」
手と顔をブルンブルンと左右に振るう。
「ちゃうちゃう!羽に海ではかいで、まことと書いて真や!」
「へーそうなんですね」
チャイムがなるもう直ぐで朝礼が始まる。
「今日はここまでか、ほな放課後にまた会おうな!」
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