第12話
☆☆☆
どれだけ平気な顔をしてみせたって、家にひとりになると途端に寂しさに襲われる。
胸にポッカリと、とても大きな穴が開いてしまったような感覚。
あたしはその穴を忘れるため、帰宅するなりすぐに勉強を始めた。
元々勉強は得意じゃなくて、受験のために始めたようなものだった。
お祖父ちゃんが入院してしまったこともあって、絶対に希望校に受からなければという気持ちが強くなっていた。
じゃないと経済的に家を圧迫することになる。
「よし! がんばるぞ!」
あたしは自分を叱咤してテキストへ視線を向けたのだった。
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