第11話

☆☆☆


放課後、学校まで迎えに来てくれた伯母さんと2人で病院へ向かうと、お祖父ちゃんはまだ眠っていた。



様々な機材につながれた状態でいるお祖父ちゃんを見るのは胸が痛む。



「お祖父ちゃん、いつ目が覚めるのかな」



伯母さんの車の中であたしは呟く。



「きっとすぐよ。敦子ちゃんを残して行っちゃうなんて、絶対に許さないから」



伯母さんはそう言うも、声が震えていた。



伯母さんも怖いのだ。



担当医は安定していると言っているけれど、その状態がいつまで続かは誰にもわからない。



自分の父親が死んでしまうかもと考えると、きっと誰でも怖くなる。



「敦子ちゃん、明日は試験よね?」



家の前で車を止めてくれた伯母さんが言う。



「うん……」



これから猛勉強だ。



せめてC判定をもらわないと、先生から希望校を変更するように言われてしまうかもしれない。



「あまり無理しちゃダメよ?」



「わかってる。伯母さんも無理しないでね。今日はありがとう!」



伯母さんの優しさに寄りかかってしまいそうな自分を奮い立たせて、あたしは早口に言い、玄関へと急いだのだった。

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