第7話 魔法がとける夜

 朝は眠っている娘。夕方から夜にかけて魔法がとけて、いつもの元気な娘に戻る。体調が良い時はAM11時ごろ、体調が悪い時はPM4時頃に体が動くようになる。

 娘の心の中の色んな気持ちを落ち着いて話が出来るのはPM10時ごろからAM2時頃。仕事のある日は心穏やかに話はできない。だって私は、夢の中にいきたい時間だから。

 

 仕事が休みの時は、できる限り娘の魔法が解ける時間に合わせて話をするようにしている。


 中学受験した時の話、小学校時代のいじめられた時のこと、はまっている「推し」についての話、調子の良い時に行く学校での出来事、勉強ができなくて焦っていること、色んな話ができるとても大切な時間。


 毎日、こうやってゆっくりと話を聞いてあげたいと思うが、そういうわけにもいかない。仕事のある時は自分の体もクタクタでどちらかというと、話を聞くというより、しんどさが溢れて、子どもたちにガミガミ言ってしまっている。


 ガミガミ言うと、耳をふさいでしまっている娘の姿。そんな姿を見ると、自分自身が嫌になってしまう。

 魔法が完全にとけるときは、私の心の中がもっと整理されたときなのかもしれない。

 私はまだ、自分の人生や娘のことを受け入れることが出来ていないのかもしれない。

 

 

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