第10話

こんな出来事があって。


ユナはそれから


学校終わってからとかとか、土日とかに、

ダンスレッスンやボイトレに励んでいた。


レッスン後、俺を喫茶店に呼び出し、

「聞いてよ、シンジ!今日はね、

新しいボイトレの先生に教わったんだけどさ、

今まで出なかった高音が出せるようになったの!

すごくない!?」


「それは凄いな!」


「それからねー、ダンスレッスンの先生、

凄い厳しいの!ステップがちゃんと踏めないと

鬼の形相で怒るのよ...」


「それは、こわいな...」


そう俺に話して聞かせるユナだけど。


なんだか楽しそうだった。


アイドルになるべく、必死に努力してる

感じだった。


俺に色々と指導内容とか話して聞かせてくれて。


その顔はもう、アイドルの顔してた。


だからな。 


ナンパをされることも多くなってて。

変な男が寄ってこないように。俺はこう頼まれていた。


「シンジ、私と一緒にいてよ!」


「う、うん」


「私の彼氏ってことでいいよね?」


「う、うん」

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