第11話

自然な流れなのかどうなのかは、わからないが。

気が付けば俺はユナの彼氏になってた。


眼鏡で地味だったけど。

今、俺の目の前でおでこを出して。

抹茶フラペを美味しそうに飲む

可愛い女の子は。


もう俺の中では美少女アイドルそのものだった。


ユナがレッスンを開始してから

5年の歳月が経過した時。


ユナはアイドルグループのセンターポジションとして、

大々的にデビューしてみせた。


CDも彼女のきれいな高音ボイスのおかげか。

爆発的な売り上げを記録し。

というか、有名な音楽評論家のやつに合わせると。

ユナの高音ボイスは滅茶苦茶凄いらしい。


俺の彼女のユナが。


大金持ちになり、そんで、トップアイドルに昇りつめたとき。


兄貴シンヤは、


「俺の彼女だ!返してくれ!」って

俺に泣きついてきたけどな。


「バーカ。今更おせえよ!」って一蹴してやったんだ。


結局。二十歳のときに。

シンヤはユーコと結婚したけど。


ユーコの父親の会社は不景気の煽りを受けて倒産しちゃって。

多額の借金返済にてんてこまいなんだって。


シンヤはユーコ父親の会社に就職したけどさ。


職を失い、見栄を張って高級車を乗り回してたけど。


そのローンの支払いに追われてる。


「シンジ...!助けてくれ。

俺、今月...苦しくてさ...飯を奢ってくれないか...??」


俺に金の無心ばっかしてる。


親はそんなシンヤを呆れてさ。


暫く実家、出入り禁止にされてんだw。




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