第3話 三/四天王パーティ、結成

 「それで…バリィ。どうする? 勇者に殺されるまえに、みんな逃げちゃう? 散り散りに、ばあー、って。そしたら、僕らのなかで一人くらい助かるかも」


 屍王は気の抜けた表情でそんな提案をした。かたや、武王は顔を顰めて腕を組む。


「まさか……やつは俺らを逃がさんだろう」と武王は告げた後、「ここで退けば、四天王の名折れよ。当然、俺たちからも手を打ち、勇者パーティを討つ」

と、宣言した。


 屍王と法王は同時にぎょっと体を固めて、顔を見合わせて、その後またそろって武王を見た。


「それは論理的に考えて、無理ぞ! アーザ殿は儂らより強かったのだから、アーザ殿を破った勇者パーティと儂らが戦っても、きっと勝てませんぞ!?」

と法王は声を上げた。


「うふふ、そうだよお? アーザ、あり得ないくらい強かったんだから。僕、1727戦1727敗だからね! ボードゲームもぜんぶ負けたよ!」

 屍王はなぜか楽しそうに、途方もない敗戦の歴史を語った。


 はあ、と武王はため息をつく。「そんなこと当然分かっている。勇者パーティはアーザより強く、俺らはアーザより弱い……だが、俺ら三勢力を合わせれば、まだ分からない。そうであろう?」

と告げた。


 面食らって黙り込んだ屍王と法王を他所に、武王は続けた。




「俺ら三人でパーティを組む。など、反吐が出るが……それしかあるまい?」

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