第3話 三/四天王パーティ、結成
「それで…バリィ。どうする? 勇者に殺されるまえに、みんな逃げちゃう? 散り散りに、ばあー、って。そしたら、僕らのなかで一人くらい助かるかも」
屍王は気の抜けた表情でそんな提案をした。かたや、武王は顔を顰めて腕を組む。
「まさか……やつは俺らを逃がさんだろう」と武王は告げた後、「ここで退けば、四天王の名折れよ。当然、俺たちからも手を打ち、勇者パーティを討つ」
と、宣言した。
屍王と法王は同時にぎょっと体を固めて、顔を見合わせて、その後またそろって武王を見た。
「それは論理的に考えて、無理ぞ! アーザ殿は儂らより強かったのだから、アーザ殿を破った勇者パーティと儂らが戦っても、きっと勝てませんぞ!?」
と法王は声を上げた。
「うふふ、そうだよお? アーザ、あり得ないくらい強かったんだから。僕、1727戦1727敗だからね! ボードゲームもぜんぶ負けたよ!」
屍王はなぜか楽しそうに、途方もない敗戦の歴史を語った。
はあ、と武王はため息をつく。「そんなこと当然分かっている。勇者パーティはアーザより強く、俺らはアーザより弱い……だが、俺ら三勢力を合わせれば、まだ分からない。そうであろう?」
と告げた。
面食らって黙り込んだ屍王と法王を他所に、武王は続けた。
「俺ら三人でパーティを組む。勇者一行の真似事など、反吐が出るが……それしかあるまい?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます