第4章

高校に入学してからずっと好きだった和樹とキスをした……。



あたしの心臓はドキドキしっぱなしで、夕食を食べてもお風呂に入ってもずっと夢心地でいた。



ベッドに入って眠ろうとしても眠気は全然襲ってこない。



目を閉じると和樹とのキスを思い出して余計に眠れなくなってしまう。



何度も寝返りを打ち、何度も唇に指を当てて確認する。



夢じゃないよね?



現実だったよね?



あたし、和樹とキスしたんだよね……?



考えれば考えるほど、自分の頬が熱くなっていくのを感じる。



7月だというのに、あたしは布団を頭までかぶると「きゃーっ!」と声を殺して黄色い悲鳴を上げ、自分の気持ちを落ち着かせた。



明日から期末テスト。



だけどそんな憂鬱な気持ち、知らない間に吹き飛んでいたのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る