第275話 地底湖のボス

《クオイツ竜葬山地》のボス部屋前。


 そこでステータスの最終確認をしながら、これからの段取りを一人脳内で確認していく。



 名前:ロキ(間宮 悠人) <営業マン>


 レベル:58  スキルポイント残:14


 魔力量:5484/5484 (652+4832)


 筋力:   2108(349+1759)

 知力:   1340(355+985)

 防御力:  1825(343+795)  ヴァラカン(+687) 

 魔法防御力:1541(333+1208)

 敏捷:   1419(348+861)  ウィングドラゴン(+210)

 技術:   1618(342+1276)

 幸運:    844(343+501)


 加護:無し


 称号:《王蟻を討てし者》



 取得スキル


 ◆戦闘・戦術系統スキル

【剣術】Lv7 【短剣術】Lv7 【棒術】Lv7 【体術】Lv7 【杖術】Lv5 

【盾術】Lv5 【弓術】Lv5 【斧術】Lv6 【槍術】Lv6 【槌術】Lv6 

【鎌術】Lv6 【二刀流】Lv1 【投擲術】Lv3 

【狂乱】Lv8 【威圧】Lv7 【捨て身】Lv5 【挑発】Lv4 

【指揮】Lv5 【騎乗戦闘】Lv7 【身体強化】Lv6 【鼓舞】Lv5 


 ◆魔法系統スキル

【火魔法】Lv7  【雷魔法】Lv8 【水魔法】Lv6 【土魔法】Lv6 【風魔法】Lv7 【氷魔法】Lv6 【光魔法】Lv5 【闇魔法】Lv6 【無属性魔法】Lv8 

【回復魔法】Lv5 【結界魔法】Lv1【空間魔法】Lv6 【時魔法】Lv5 

【魔力操作】Lv6  【魔力感知】Lv4 【省略詠唱】Lv5 【発動待機】Lv2 

【魔法射程増加】Lv2 


 ◆ジョブ系統スキル

【建築】Lv3 【採掘】Lv3 【伐採】Lv4 【狩猟】Lv7 【解体】Lv7 

【料理】Lv6 【農耕】Lv6 【釣り】Lv4 【裁縫】Lv5 【芸術】Lv2 

【描画】Lv2 【細工】Lv2 【加工】Lv3 【畜産】Lv4 【採取】Lv4 

【話術】Lv5 【家事】Lv6 【交渉】Lv5 【演奏】Lv2 【薬学】Lv3 

【作法】Lv3 【舞踊】Lv1 【歌唱】Lv2 


 ◆生活系統スキル

【跳躍】Lv4 【飛行】Lv8 【拡声】Lv3 【異言語理解】Lv8 【算術】Lv4 【暗記】Lv5 【聞き耳】Lv3 【隠蔽】Lv8 【騎乗】Lv7 【逃走】Lv4 

【気配察知】Lv7 【忍び足】Lv4 【罠生成】Lv6 【罠解除】Lv6 

【視野拡大】Lv6 【探査】Lv5 【遠視】Lv6 【夜目】Lv8 【俊足】Lv5 

【鑑定】Lv2 【心眼】Lv2 【魔力譲渡】Lv3 【罠探知】Lv1 【付与】Lv1


 ◆純パッシブ系統スキル

【魔力自動回復量増加】Lv7 【魔力最大量増加】Lv7  【物理攻撃耐性】Lv5 

【魔法攻撃耐性】Lv4 【鋼の心】Lv4

【剛力】Lv6 【明晰】Lv6 【金剛】Lv6 【疾風】Lv6 【絶技】Lv5 

【豪運】Lv4 【封魔】Lv3 【石化耐性】Lv6 【毒耐性】Lv8 【麻痺耐性】Lv4 【睡眠耐性】Lv4 【魅了耐性】Lv1 

【火属性耐性】Lv8 【水属性耐性】Lv6 【闇属性耐性】Lv6 【雷属性耐性】Lv6 【氷属性耐性】Lv5 【土属性耐性】Lv4 【風属性耐性】Lv6 


 ◆その他/特殊

【神通】Lv2 【地図作成】Lv4 【魂装】Lv2 【神託】Lv1 【奴隷術】Lv3  


 ◆その他/魔物(使用可)

【噛みつき】Lv8 【穴掘り】Lv8 【光合成】Lv6 【物理防御上昇】Lv4 

【睡眼】Lv3 【爪術】Lv8 【洞察】Lv4  【踏みつけ】Lv7 【招集】Lv7 

【硬質化】Lv6 【酸耐性】Lv8 【状態異常耐性増加】Lv7

【咆哮】Lv6 【突進】Lv7 【旋風】Lv6 【強制覚醒】Lv9 【嗅覚上昇】Lv4 【火炎息】Lv6 【発火】Lv6 【白火】Lv1 【炎獄柱】Lv5 【灼熱息】Lv5 【丸かじり】Lv5 【分解】Lv3 【吸収】Lv3 【氷結息】Lv6 【石眼】Lv7 【物理攻撃力上昇】Lv6 【不動】Lv6 【衝撃波】Lv6 【地形耐性】Lv4


 ◆その他/魔物(使用不可)

【胞子】Lv5  【泥化】Lv5 【呼応】Lv7 【粘糸】Lv4 【脱皮】Lv3  

【酸液】Lv7 【擬態】Lv6 【気化】Lv8 【毒霧】Lv5 【結合】Lv8

【分離】Lv8 【火光尾】Lv5 【絶鳴】Lv7 【幻影】Lv8 【影渡り】Lv6 

【地縛り】Lv6 【属性変化】Lv7 




 下見に来た前回よりもさらに修行し、装備を整え、【付与】で魔力の漲(みなぎ)る男となって帰ってきたのだ。


 通常ボスくらいサクサク狩れるようになっていかねば裏ボスの道は程遠いと、フッと強く息を吐き出し気合を入れる。



「うし、まずはここで試すか」



 光源となる光の玉を、いくつかボスフィールドの上空に展開させたら行動開始だ。



 ――【忍び足】――


 ――【飛行】――


 ――【洞察】――



 天井付近に張り付き、地底湖を泳ぐ巨大な影を眺めながら、



『"指電"』



 まずは、湖面にゆるく魔法を放つ。


 すると広がる波紋が開戦の合図とばかりに、地鳴りのような低く不気味な音が鳴り響き、地底湖の水が一気に引き始めていく。


 どういう原理か、無数にある穴へ水が流れ込んでいるようだった。


 と、同時に姿を現したのは、黒く大きな両翼に水かきのような薄い膜を備え、悠然と泳ぐ紺色の竜。


 その体長はやはり拠点付近の黒象よりも大きく、長く伸びた尾まで含めれば30メートル近くはありそうなほどに巨体だ。


 しかし体躯はやや細長い印象もあり、竜と蛇が混ざったような『水竜』という言葉がしっくりくる風体をしていた。



「その首、落としやすそうだねぇ……」




 ――【気配察知】――


 ――【魔力感知】――


 ――【身体強化】――


 ――【発火】――


 ――【白火】――



 そんな水竜――『ガルグイユ』が湖面から顔を出した瞬間を狙い、【風魔法】によるバーストを使用しながら急速下降。


 浮上した首に向かって、取り出していた大剣を豪快に振り下ろす。



「うぉらッ! 力刃ッ!」


「ギャァアアアアアアアアア……ッ!」


「はっはーッ!」



 普通ならばまだこの段階は、近接攻撃を食らうなんて想定もしていない状況だろう。


 水がある程度捌けて、ようやく近接職が地底湖の底に雪崩込む。


 それまでは囲うように存在する僅かな平地から、届きそうな遠距離職がチマチマと攻撃を加えているような段階。


 ガルグイユの悲鳴の中に、「ズルい」なんて言葉も聞こえてきそうだが、もう油断はしないと決めた以上、やるならば最初から全力だ。


 しかし水場だと、相手を強制的に【発火】させる意味はかなり薄いな。


 それに鱗の影響なのか、それとも魔法防御力が高いのか。


 斬りつけてもそこから燃え広がるような動きになっていない。


 ならば――、



『"雷槍"、高速で、突き抜けろ!』



 離脱と同時に放った【雷魔法】。



 ――パンッ!!



 それはガルグイユに接触する間際で大きく方向が変わり、球体フィールドを囲う岩壁に衝突。


 威力を抑えた魔法だったが、それでも衝撃で岩肌がボロボロと崩れ落ちる。



「ふーん……」



 その光景を、俺は自身に跳ね返ってくる可能性も想定し、ガードした両腕の隙間からジッと眺めていた。


 俺がまだ未所持のスキルの一つ――【鏡水】。


 名前からして反射系の特殊スキルだと予想していたが……



『"指電"』


『"指電"』


『"指電"』



 分析のために数度魔法を放つ中で、このスキルがオートの半ランダム反射っぽい効果であることを理解する。


 ヒット直前に水膜のようなモノが一瞬現れ、入射角なんかも度外視で明後日の方向へ飛んでいくのだ。


 一発はそのまま俺に向かってまっすぐ跳ね返ってきたし、自動反射モードの状態で守りを固められれば魔法を放つ意味もない。


 ヴァラカンと同様なら段階があり、水が捌けて湖の底がだいぶ見えてきていることからも、第一段階は近接職のターン。


 そう一人納得し、ならば今がちょうど良いと、俺はボス部屋に続く通路へ空間転移――ボス部屋から離脱した。



 今後のボス戦も含め、余裕のありそうな時に把握しておくべき仕様の確認。



(さーて、どちらになるかな?)



 そのまま自己バフとも言えるスキルを一通り唱えながら、再度球体のボスフィールドへ突入すれば――



「なるほど……俺にとっては都合の悪いゲーム寄りね」



 ――そこには、波紋の一つも存在しない静かな湖面が広がり、一切ダメージを受けている様子のない不気味な影が、悠々と湖の底を泳いでいた。

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