多聴多読と精聴精読、どちらが効果がある?

多聴多読と精聴精読、どちらが効果がある?

TOEICで高得点をとれるようになるには、多聴多読と精聴精読どちらをやったらよいでしょう?


まず最初に断っておきますが、ここでいう精聴精読とは一つの教材を繰り返し勉強することを言っています。


英文を細かく品詞分解したりすることではないのでご注意下さい。


それでは、多聴多読と精聴精読どちらをやったらいいのでしょう?


両方やったらいいんですよね?という声が聞こえてきそうですね。


もちろんそうなのですが、時間は有限、どちらをメインにやったらいいか知りたいところだと思います。


ここでかつては英語が苦手だった高校生だったけれど、今はTOEIC850点越えまでになった筆者が正解をお教えしたいと思います。

==================

英語初心者はまず精聴精読

==================

ここで英語初心者というのは英検2級が取れていないレベルの人のことをいいます。


これぐらいまでは一つの教材(高校生までなら英語の教科書)を何度も何度も読んだり、音声を聞いたりするのをお勧めします。


副教材としてGraded Readerの簡単なレベルの洋書を何冊も読む方法もないこともないですが、この段階だとこの勉強方法はそれほど効果を発揮しないし、教材の準備にお金がかかります。


英検2級レベルまでは限られた教材を何度も繰り返し読んだり聞いたりして英語を体に叩き込むのが効率的です。


音読や、シャドーイングもおすすめです。


といっても多聴多読も全く効果ないわけではありませんし、いつも同じ英文ばかりでは飽きてしまうと思います。


サブとしてGraded Readerのやさしめのレベルを読んでみるのもいいかと思います。


Graded Readerについてはこのエッセイの「第3章 英文多読のススメ|Graded Readersを使おう|洋書を読めばリスニング力もUPする!?」をお読みください。


==================

英語中級者以上は多聴多読

==================

英検2級レベル、高校卒業レベルの英語力が身についた後は、精聴精読メインから多聴多読メインに切り替えましょう。


このレベルからは、同じ教材を何度も繰り返してもTOEICの点数はのびません。


私はこのことをわかっていなくて、ずっと同じ教材を繰り返す勉強に固執し、5年近く無駄にしています。


私は英語力がある程度のレベルに達した後も、シャドーイング、暗誦など少量の英文を体にしみこませる型の勉強を続けてきました。


多聴多読は気が向かなく、一切やっていませんでした。


シャドーイング、暗誦は結構労力を使うので勉強した気にはなるのですが、努力のわりに英語力は上がらずTOEICは500点代のまま。


自分はもう英語に向かないのではないかと諦めていたところ、大量の英文を読む勉強法に切り替えてからは2年あまりでTOECは800点代にあがりました。


====================

英語の勉強とお経の勉強は違う

====================

そう英語中級者以上は大量の英語に触れることをしないかぎり、英語力は伸びないのです。


少量の英語を暗誦、繰り返しシャドーイングをする勉強方法ってお経や聖典の勉強みたいではないですか?


あるいは江戸時代の子供が論語の勉強をしたりするときのやり方ですね。


お経や論語のような決まった文句をすらすら唱えられるようになればそれで完成、という学問でしたらそれでもいいですが、英語というのはその場その場で臨機応変に使わなければならないものです。


特定の文を暗誦したらそれで終わりというものではありません。


世の中で使われる英語は毎回毎回違います。


大量の未知の英語を短時間で理解する練習をしなければ、実践では役に立ちません。


丸暗記型の勉強ではそれに対応できません。


世間的にも「いくつかのフレーズを丸暗記すればOK」みたいな教材が定期的にブームになりますけど、英語初心者以外にはあまり効果がないので、気を付けてください。


いままで同じ教材を繰り返す勉強ばかりしてきて、多くの英文に触れることをしていなかった中級者以上の方はぜひ多聴、多読を始めてくださいね。


1年後あなたの英語力は見違えると思いますよ。


具体的にどんな方法で大量の英語に触れたらいいかについては、このエッセイの「第3章 英文多読のススメ|Graded Readersを使おう|洋書を読めばリスニング力もUPする!?」をお読みください。


==================================

中級者以降もサブとしてなら精聴精読をやってもいい

==================================

中級者以降もサブとしてなら精聴精読をやってもいいでしょう。


たとえば

★疲れていて大量の未知の英語に触れるのはしんどいときは、聞きなれた、あるいは読みなれた教材を復習する。


★自分のレベルよりも一段難しいレベルの英語を読んだり聞いたりするときは、繰り返し読んだり聞いたりする。


★ボキャブラリーを増やすために、単語集についている英文を繰り返し読む。


などです。


多聴多読で英語力のベースをUPさせ、何かスペシャルな理由があるときに精聴精読を補助として使う、という感じでやっていくといいでしょう。


▽▲▽▲▽▲

まとめ

▽▲▽▲▽▲

●初心者(英検2級レベル以下)は精聴精読をメインに、多聴多読をサブで勉強する。


●中級者以上(英検2級レベル以上)は多聴多読をメインに、精聴精読をサブで勉強する。


●中級者以上は大量の未知の英語に触れないと英語力は伸びない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る