武器を抜いた。躊躇なく剣を煌めかせ、その命をただの肉塊にした。
正しい判断だ。掻き斬った喉笛が息を漏らす直前に吐いた声は、誰かを襲った時に覚えたであろう「タスケテ」という単語だった。それを聞けば、君は迷っていただろう。
君は街の人を守った勇者としての名声を得て、ゴブリンの首を献上することでそれなりの路銀も手に入る。必要な犠牲だった。
それから、君は冒険の旅を続け、無数のゴブリンを屠っていく。当然だ。彼らは人に危害を加える害獣であり、邪悪な魔法使いによって生まれた悪しき命なのだから。世界を守る存在である君のことを責める人は誰もいない。旅を続けながら、誰かの「助けて」という声で弱い人々を助けにいくだろう。そうした旅路がやがてガンダルファを倒す物語になっていき、君は世界に愛される。
ハッピーエンドだよ。おめでとう。
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