01

 ここはライル王国東領、サルタゴの街。邪悪な魔法使いガンダルファによって世界には魔物が放たれ、人々は蹂躙されるままだ。旅人である君は、その世界の中で生き抜いていかないといけない。

 サルタゴの街は活気が溢れ、白亜の石畳や夜を照らすカンテラの灯が街角を彩る。銀の鎧を着た駐屯騎士はライル王国の勲章を権威を振りかざすように見せびらかし、民衆は暗い世相でも明るく街の活気を保っている。君はそこで武器を買い、旅に出るための準備をするんだ。


 薄暗い街角、路地裏を駆ける黒猫。君は自らの武器である銀に輝く剣を片手に、薄暗いサルタゴを歩く。買ったばかりの、新品の剣だ。まだ何かを斬ったことがない君は、新たな武器の切れ味を試したくてウズウズしているだろう。

 そこに現れたのは、飢えたゴブリンだ。ゴブリンという種は人間と敵対していて、群れで運んでいる貨物を襲撃したり村を襲ったりする。子供の背丈に老人のような皺だらけの顔で、金属が擦れるような声で意思の疎通を図ってくるんだ。

 討伐対象を見つけた君は、心を躍らせるに違いない。ゴブリンの首を諸侯に渡せば報酬が出るし、何より試し斬りの相手にぴったりだ。君の目の前にいるのは、群れから逸れて衰弱した弱々しい1匹でしかない。放っておいても飢えて死んでしまうような、人と相容れない存在なんだ。


 そんなゴブリンを目の前に、君は、

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