第三章 エアストヴェルト

悲劇の始まり

暗く、日が届かない広い豪華な部屋。

一流の職人によって作られた絨毯や家具が置かれていた。長方形の形をした机の上には水晶玉と瓶に入った青い薔薇・ロウソクが置かれており、薔薇からはフローラルな香りが部屋中に漂っていた。

東西南北に一つずつ置かれた椅子には戦いで付いたであろう粉塵や血のローブを来た三人の人物と紫のロング髪から見える二本の角、整った顔立ちの女性が水晶から映し出された優一たちを見ていた。

「やはり、ここからエアストヴェルトに入ってきましたね」

水晶に手を翳してニヤニヤと話すこの女は魔王ロゼである。

「さすがロゼ様。しかし、この二人は何者でしょうか?」

「おおよそミティシアがオールワールドで雇った護衛か何かだろう」

三人が話していると一人だけ沈黙していたローブを被った男が口を開く。

「それで、狙いはどいつだ」

男の口の聞き方が気に入らなかったのか二人のローブを来た人物が反発をする。

「おい!ロゼ様に対する口の聞き方がなってないぞ!」

「何様のつもりだ」

二人がもう一人の仲間に反発しているとロゼの威圧で二人が冷や汗をかき沈黙する。

「私は気にしてません。それに彼の功績には、私はとても評価していますので、このくらいでしたら大目に見ます」

「ロゼ様を前にお見苦しい所を見せて申し訳ございません」

二人は頭を下げ謝罪をするとロゼが本題に入ろうとする。

「それでは本題に入ります。ミティシアを殺して屍を持ち帰ること」

「「承知しました」」

四人は立ち上がり部屋から出ようとする。

「てっきり、俺はティファリアを捕えるのかと思ったがな」

「彼女はまだ狩るには早いわ♡残りの二人は邪魔するのなら殺しても構いません。それと貴方には先にオールワールドに建設したアジトに戻って貰います」

「・・・分かった」

境界を越えて安心している四人はこれから起きる悲劇をまだ予想もしていなかった。

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