第4話 友人と先輩
ケモミミを見て、勉強した内容の記憶が飛びかけたがなんとか耐え切ったアルベルトは無事に筆記試験を終えた。アリスも無事に解けたようで、実技試験に向け作戦を立てていた。
「いいか、アリス。手加減頑張れよ」
「アルくんこそ」
そんな話をしていると先程のケモ・・・・アルカが話しかけてきた。
「手加減するの?」
やはり耳がいいのか、小声の会話も聞こえていたようだ。
「ま、まぁ。おれたちはちょっと特殊だから?」
「うん。特殊だから」
ちょっとどころではないのだが言い訳が思いつかなかったので、特殊という言葉で逃げた。
「あ、ごめん。私は、アルカっていうの。よろしくね」
「おれはアルベルト。で、こっちが・・・・・」
「アリス」
アリスは、筆記試験のことを根に持っているのか無愛想だった。
「二人は、恋人か何か?」
「え?」
アルベルトは返答に困った。今までそんなことを考えたことはなかったからだ。
アルベルトが返答に困っていると
「今はまだ違うよ」
目に見えてご機嫌な顔になったアリスは、そう答えた。
アルカをいい人認定したのだ。
そんな中、アルベルトは
「今は・・・・・今はって」
一人別世界にいた。
アルカを加え3人となったアルベルトたちは、最近あったことを話しながら実技試験場に向かっていた。
「えっ、二人はもう冒険者なんだ」
「うん。王都の外から来たから身分証がなくて」
「じゃあ、黒赤って知ってる?最近有名になったパーティなんだけど」
「え、え〜と。た、たぶん?」
アリスは随分とアルカと打ち解けたようだ。
自分以外にも話せる相手ができたようでよかった。
アルカには後で魔道具をあげよう。
アリスの笑顔を守るために必要な存在だ。
3人は、実技試験場につき、試験内容の説明を受けていた。
「えー、試験の内容としては模擬戦をしてもらう。今年は、特別に王国最強の騎士である、エリス・アインツベルン殿に来ていただいた。存分に力を振るいたまえ」
では、番号順に・・・・・・・
「はぁはぁはぁ・・・・・・・ありがとう・・・・ございました・・・」
「ああ、なかなかだったぞ」
アルベルトの前の受験生が終わった。
「では次!アルベルト君」
「はい」
エリスのステイタスを見たアルベルトは楽しみで仕方がなかった。
エリスのステイタスはこうだ。
『名前』エリス・アインツベルン
『種族』ハイエルフ『性別』女 『年齢』六百三歳
『レベル』 ー
『能力』 A
『称号』精霊に愛されたもの 超越者 精霊姫 乗り越えた者
『ユニークスキル』
精霊魔法 世界眼 魔力掌握 自然同化 霊剣
『原初』
精霊化
『加護』
精霊神の加護 魔神の加護 剣神の加護
『精霊に愛されたもの』 精霊に愛されているものの証拠
『精霊姫』 世界で最も精霊との調和性の高いものに与えられるもの
『精霊魔法』 精霊の魔力を借り、同等の魔法でも全てにおいて勝る
『自然同化』 自然と同化し完全に姿を消す。自然が豊かなところほど効果が高まる
『霊剣』 見えない剣を生み出し戦う。世界眼のみ見切ることができる
『精霊化』 自身を精霊化し、上位存在へ至る。精霊界への扉を開くこともできる
まさかの超越者だ。
こんなにも早いうちに他の超越者に出会えるとは。
「初めまして
「何を言ってるんだ、お前は」
「何ってわかってるでしょ?」
そう言いながらアルベルトは指で目の下をトントンと叩いた。
まるで、それを使えと言わんばかりに。
「そういうことか」
理解してくれたようだ。
「ここではダメだ。後でいくらでも話を聞こうか」
「二人ともよろしいですか?」
「ああ、問題ない」
「大丈夫です」
「では、初め!」
アルベルトは他の学生よりちょっと強いぐらいで戦い、試験を終わった。
アリスも彼女に興味を持ったようだが、アルベルトとした約束は何よりも優先されるため、自分の好奇心を抑え込み無難に終わった。
「では、今年の入学試験はこれで終わります。発表は、7日後、月の日となります」
受験生が次々と帰っていく中、アルカと別れた二人はエリスの元に向かった。
「改めましてアルベルトと・・・・・」
「アリスです」
「私はエリス。よろしくな」
後輩と勇者よ。
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