第3話 いざこざと興奮
初依頼を終え、しばらくの間、色々な依頼をこなしつつポータルを設置し、不労の力を強化していった。
いずれは、人を雇いポータルに魔力を通して、自動レベル上げして戦力強化し超越者や勇者、黒赤の存在が目立つことのないようにしたい。
やはり、不労を目指す者は、自由でなければならない。
そんなこんなで、とうとう王立高等学校の入学試験日がやってきた。
入学試験日の1ヶ月前に、試験の存在を知った二人は、死に物狂いで勉強をした。
実技であれば問題のない二人だが、教科書など無縁の生活を送ってきたために最低限の知識しかなかった。
今考えれば、由緒ある学校に誰でも入学できると考える方がどうかしている。
あの苦労を思い出しながら、アリスとともに門をくぐった。
「それにしてもすごい立派だな〜」
「そうだね〜」
そんな他愛もない話をしていると突然怒鳴り声が聞こえてきた。
「おい、お前!」
喧嘩でもしているのだろうか。しかし、一向に相手の声が聞こえてこない。
無視されているのか、かわいそうに・・・・・
「おいっ、聞いているのか!!」
それでも返事がない。これは、完全な無視だな。
すると突然目の前に声の主が立ち塞がった。
「だれ?」
アリスに顔を向けるが、首を振る。アリスも知らないようだ。
「さっきから私を馬鹿にしているのか!!」
「なんのこと?」
いきなりそんなことを言われても身に覚えがない。
「私が呼んでいるのに無視しただろうが!!」
「え、俺たちのことだったの?」
「他に誰がいる!!」
えー、そんなこと言われても。周りを見渡すと受験生だろうか多くのふとがこちらを見ていた。
「いや、ここにたくさんいるじゃん。その中で”お前”だけで自分だと気づけるほどすごい人はいないよ」
正論をかましたやった。しかし、それでも引き下がらないのがこういうのである。
「貴様!貴族である私を愚弄するか!」
おお、やっぱりそうきたか。まぁいい、付き合ってやろう。
「それでなにかようですか?」
「ふん!最初からそういう態度をとれば良いのだ」
イラッときたがギリギリで耐えた。
「それで、どうしたのですか?」
「そこの女を私によこ・・・・カヒュッ」
男は言葉を最後まで言い切る前に神速の魔弾で撃ち抜いた。外傷がつかないように最大限手加減をしたが、少し手元が狂っていたかもしれない。口から空気が抜ける音がして、その場に倒れ込んだ。
アリスに手を出そうとする奴はたとえ王族でも死罪に値する。
「行こうかアリス」
「うん」
何事もなかったかのように会場に向かった。
一連のやりとりを校舎の中から見ているものがいた。
「ほう、今年は面白いのが結構いるな。特にあの少年、一度手合わせ願いたい」
「会長、仕事サボらないでください」
「いやしかし・・・・・・」
面白そうなのが・・・・
「毎年そう言って毎回大したことないではないですか」
「それはそうだが・・・・・」
「本当に優秀なら私たちの耳に入ってきてますよ」
「それもそうだな」
「それよりも、この生徒についてなのですが・・・・・」
「ああ、
その資料には、勇者候補の一人として『ユリス・ロンド』という名前が載っていた。
そして、勇者として超越者一歩手前のアリスは、異常にご機嫌だった。
先程の騒ぎのこともあるが受験生は名前順に番号が振られ指定の席で受けるそうだ。
アリスにとって精神安定剤であるアルベルトがいるだけで、安心して試験に臨める。
しかし、世の中うまくいかない。
アルベルトとアリスの間には一人、アルカという
不機嫌になるアリスとは違い、アルベルトはテンションが上がっていた。
け、ケモミミだ〜!!!!!!!!!
これまでの上位に組み込むほどの大興奮だった。
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