第4章 精霊卿
第1話 旅たち
現時点で、いや、これから先も最強の武器を作り感触を確かめたあと、三人は宿に戻った。
「出る前に、食料とかを買おうかと思ってるんだけど、料理できる人いる?」
「「・・・・・・」」
これは、緊急事態だな。まさか、セナもできないとは。
「どうしようか・・・・・」
魔物の肉でもいいが、ただ焼いて食べるだけなのは嫌だ。
「奴隷は、どうだ?」
「奴隷?」
奴隷なんていたのか。
この国で見たことなかったし、前世では奴隷がそもそもいなかった。
しかし、奴隷か・・・・・・
「いや、奴隷はちょっと・・・・」
元日本人として抵抗があるな。もう少しこの世界に慣れてからにしよう。
すると、部屋の扉がノックされた。
「はい」
「あの〜、お客様が来ております」
客?誰だろうか
「わかりました。すぐいきます」
扉を開けると、そこにはアイナ様がいた。
「何してるんですか?」
「ふふ、きちゃった」
きちゃったって・・・・・王族だろ?
「その、まぁ、とにかくどうぞ」
「ありがと」
「あれ、アイナさん!」
アリスはいつの間にかアイナ様と仲良くなっていた。
コミュ力すげぇ・・・・・。
「あ、アイナ様。なぜここに」
セナは突然の来客できた、アイナ様に正座を決め込んでいた。
「それで、なんの御用ですか?」
「うん。ついて行くから」
「はい?」
「だから、アルたちについて行くから」
「・・・・・なんで?」
「ついていきたいからよ」
「でも、王族だし、危険だし」
「私・・・・・・・料理できるわ」
・・・・・・・・・。
「アリス、セナ。四人目のメンバーだ。よろしく」
アリスとセナも了承してくれた。
アイナ様は、これから荷支度をするそうなので、アイテムボックスを渡し、明日の集合時間を伝え別れた。
翌日
ん、あれ、なんだこれ。
アルベルトは体を起こそうとしたが、いつもと違う重みに違和感を感じた。
「アリス?」
何してんだ、こんなところで。
アリスの体を揺さぶり起こそうとする。
「ん〜、アルくん・・・・・」
起きそうにないな。
アリスを起こさないようにベットから降り、顔を洗いにいった。
そこで、水に映る自分の顔を見た。
「あれ?」
鏡などないこの世界ではなかなか自分の姿を見ることはない。
幼い頃に一度同じように水に移る自分を見てどんな髪で目で顔なのかを把握していた。
アルベルトは、黒髪で、黒目のはずだった。
しかし、今は・・・・・
「白髪のオッドアイ?」
なんだこの厨二くさい姿は。
アルベルトは久しぶりに自分のステイタスを視た。
『名前』 アルベルト
『種族』天魔 『性別』男 『年齢』十歳
『レベル』ー
『能力』SS
『称号』転生者 大罪保有者 幸せを求める者 超越者 天上に至るもの(New)
『ユニークスキル』
魔法・魔力設置 万物掌握(New) 万物創造(New) 大罪能力(3/7) 精霊同化
『原初』
天使化
『加護』
幸福の神の加護 武神の加護 魔神の加護 剣神の加護 ーーーーー
『天上に至るもの』 システムを逸脱できるものに与えられる
『万物掌握』 世界の全てを掌握する
『万物創造』 魔素があれば無から有を作ることができる
なんかすごい変わってる。
わかりやすくなったのはいいが、剣術系とか魔法関係どこいった?
試しに手元に炎を出してみた。
「出てはくるな」
全属性魔法を入手していたので、それも試してみる。
「出るんだ」
ならこれはあれか、スキルに頼らずにできるようになったからか?
まぁいい。
これで、ビシスに少し近づけたかな。
その後アリスが起き、セナも起きていたので声をかけにいった。
髪の色と目の色に驚かれたが、起きたらこうなっていた、としか言いようがないので、深くは聞かれなかった。
食事を取ったあと、アイナ様と合流した。
一目見て「誰?」と言われたがアリスたちと同様に説明した。
「じゃあ、何を買うの?」
アイナが聞いてきたので、みんなに聞いてみる。
「そうだな。みんな好きなものとかある?」
「私は、肉」
おい、アリスよ。肉食にもほどがある。
「私も肉だな」
セナもか・・・・
「肉は魔物から取れるから他ので・・・・・」
「「う〜ん」」
出てこないのかよ!!
とりあえず料理道具と適当な食材を買いに行った。
そこであることを思いついた。
アイテムボックスがあるなら一方通行の入れるだけのもできるんじゃ。
「アイナ様、ちょっといいですか?」
「アイナでいいわ。これから長い付き合いになるんだし」
「そ、そうですか」
そういえばアリスも友達感覚だったな。セナは苦労してたけど。
「この世界の買い物って料金の自動引き落としなんてあるんですか?」
入金があるから出金もあると思うんだけど・・・・・
「この世界?・・・・・まぁ、あるわね」
ならできるな。
食材屋についた一行は、定期的に欲しい食材を選んだ。
「ねぇ、選んだけど、どうするの?」
「まぁ、待ってて」
アルベルトは、店主のところにその食材を持っていった。
「お姉さん、ちょっといい?」
「なに?」
「この食材定期的に売ることってできる?」
「できるけど、坊やが受け取りに来るの?」
よしっ、これなら!
「いや、これに入れて欲しいんだ」
アイテムボックスの一方通行の袋を渡した。
「これは?」
店主は、不思議そうに袋を見ていた。
「これに食材を入れていただいたら僕の元に来るようになってて・・・・」
袋の説明を驚きなが聞いていた店主は、いいわよと了承してくれた。
ふふ、これで何もせずとも稼いだお金で勝手に食材が手元に来る。
不労の最終形態に近づいてきた。
口座の情報を渡し、食材屋との交渉は終わった。
たまに、違う食材も送りたいとのことだったので了承した。
おそらく最近流行りの在庫処分だろう。
「よしっ!次は・・・・・」
「ちょっと待って!今のはなに!?」
アイナから詰め寄られた。
「あ、あれは、一方的に食材が届く・・・・」
「それは、わかってるけど!」
「魔法ですよ。それが可能なスキルがあるので」
アイナはなんとか納得してくれた。
しばらく、女性陣の必需品も定期的な取引にし、満足してくれたところで、例の串焼きの屋台を出していた店主に会いにいった。
「おう、アル!久しぶりだなぁ!」
「はい!」
「それで、どうした」
今日で、王都を出て旅に出ること、ソースを定期的に買いたいということを伝えると、簡単に了承してくれた。
出立の祝いとして、四人分の串焼きを無料でもらい、別れた。
その後、アイナに渡したイヤリングに自動経験値機能をつけ、四人全員のアクセサリーに回復魔法を設置し、スキルも自動的に鍛えられるようにした。
全ての準備は終わった。
「よしっ、それじゃあいきますか」
「うん!やっとだね」
とアリスが。
「ああ、世話になるな」
とセナが。
「ふふ、楽しみね」
とアイナが。
これからに期待と不安を抱きながら四人は王都をでた。
これから向かうのはエルフの森、案内はセナがしてくれる。
『英雄の真実』の著者、エリスの妹、シルビアさんに会いに行く。
〜道中〜
「そういえば、セナとアイナのステイタス見てもいい?」
最近人のステイタスを見ないようにしていたため、アイナのは見たがセナのは見ていなかった。
「かまわん」
「いいわよ」
『名前』アイナ・フォン・シュトベルト
『種族』人族 『性別』女 『年齢』十三歳
『レベル』42
『HP』5000/5000
『MP』8000/8000
『能力』B
『称号』第一王女 耐え抜いた者 聖女
『スキル』回復魔法Lv8 剣術Lv5 礼儀作法Lv10
『ユニークスキル』
聖属性魔法 捌く者
『加護』
治癒の神の加護
『聖女』一定以上の人数を治癒し、感謝されたもの。
『捌く者』食材を最適なレベルで捌く。極めれば万物を捌けるようになる。
『名前』セナ
『種族』エルフ 『性別』女 『年齢』四百六十歳
『レベル』94
『HP』12000/12000
『MP』39000/39000
『能力』S
『称号』森の子 精霊に愛されたもの 剣聖
『スキル』
風属性魔法Lv8 縮地Lv9
『ユニークスキル』
精霊魔法 自然同化 属性剣術 限界突破
『加護』
精霊神の加護 剣神の加護
『森の子』森にいる間、身体能力が上がる。
『属性剣術』精霊の力を借り、剣に属性を付与する。
鑑定の結果を二人に話すと、初めて自分のステイタスを知ったのか、ものすごく喜んでいた。
にしても、アイナの捌く者。
これは、末恐ろしすぎる。万物を捌くってなんだよ。
セナも普通に強かった。とりあえず風属性魔法を今まで設置したポータルに設置し、進化に近づけた。
二人に、回復魔法と風属性魔法はすぐに進化できるというと、ものすごく喜んでいた。
スキルの進化は、エルフでも生きているうちにできるかどうからしい。
どうであれ、世界を旅するには、少し過剰戦力だが強すぎて困ることはない。
四人は、セナの案内の元、途中で見つけた魔素溜まりにポータルを設置しながら、目的地へと向かった。
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