第3話 VS.炎竜①

最初の攻撃は、こちらからだった。




「魔纏!」




魔力を、己の肉体と魔刀に纏わせ、強化する。縮地で近づき、




「居合剣術:横雲!!」




ガキイイイイイン!!!




「なっ、硬すぎだろ!!」




「アルくん。危ない!」




アリスの言葉に、ハッ、となり横から炎竜の腕が来ているのに気づいた。慌てて防御の構えをするが、威力が強すぎて吹き飛ばされる。




「くそっ・・・・・」




多くの木を薙ぎ倒しながら吹っ飛んでいくが、魔纏を使っているため怪我は少ない。しかし、たった一撃もらっただけで腕が痺れている。




「わかってた。わかってたが」




まじで、やばい・・・・・・。




アルベルトが吹き飛ばされた直後、アリスはより一層の警戒をし、聖装と剣気を使い、本気モードに入った。


聖剣を使わないのは、付け焼き刃の武器では、一撃で使い物にならなくなるからだ。




炎竜は、炎神で周りに炎の玉をいくつも生み出し、アリスへ放つ、それを瞬間移動を駆使しかわしながら、炎竜へ近づいた。




「剣舞:剣の舞!!」




その瞬間、魔力剣が光だし数十本に増えた。アリスが一振りすると、新たに増えた剣が炎竜に縦横無尽に、舞うように切りかかった。




何本かが、炎竜の体に傷をつけた。流石に鬱陶しくなったのか、体の周りに炎を波状に放ち剣を消失させた。


アリスが、あまりの熱に顔を追っていると目の前に炎が収束していた。




まずい!!




アリスが慌てて避けようとするが、おそらく間に合わない。とにかく全力で聖装を使おうとした時。




「これでも喰らいやがれ!!」




戻ってきたアルベルトが、不可視の魔弾を打ち込んだ。炎竜は、魔弾によって口内で魔力を爆発させた。




「グオオオオオオオオオオ!!」




体内への攻撃は、流石に効くのか、初めて痛がっていた。




「アルくん!」




「立て直すぞ!」




炎竜が、怯んでいるうちに状況を整理する。




「アリス、聖装はあとどれくらい持つ?」




「10分くらいかな」




10分か、なかなかきついな。とりあえずペンダントを起動させ、常時不可視の魔弾が放たれる状態にした。


これで、進化に近づく。




「よし、いくぞ!」




アルベルトは、ドラゴンの弱点と言われる逆鱗を探すため、ひたすら走った。




見つけた!




「アリス!首元だ、そこを狙え!」




「わかった!」




アリスは、アルベルトに言われ首元を見た。そこには、一部だけ色の違う鱗があった。


魔力剣の剣先を向け、技を出した。




「剣舞:千本桜!!」




『千本桜』は、剣を無数の花びらに変え、その花びらを使って攻撃する。一枚一枚の花びらが、使用する剣と同等の切れ味を持っているため、実質剣が無数に増えたと同じことだ。




無数の花びらが炎竜を切り刻もうとした時、炎竜の体が、炎に包まれた。


花びらはあっけなく燃え尽き、アリスの手元に魔力剣が戻ってきた。




「うそ!?」




今まで、千本桜が破られることはなかったために聖剣を除く切り札として使っていた。




「アリスさがれ!炎化だ」




炎竜の全身が炎そのものになっていた。




「居合剣術:燕尾!」




『燕尾』は、魔力を纏わせた斬撃を飛ばす技。




斬撃は、炎竜を切ったが、そのまま後ろの木々まで切っていた。


炎竜の切った部分は、炎を切ったかのようにゆらゆらと元に戻っていた。




「まじかよ・・・・」








ここまで強いと流石に・・・・・・




とその時、幸運にもあるアナウンスが流れた。




『スキル』


空間魔法及び不可視の魔弾が進化可能。


進化しますか?




もちろん。


しかし、不労の力がここまでとは。




『スキル』


時空魔法を入手しました




『ユニークスキル』


神速の魔弾を入手しました。


不可視の魔弾は統合されました。


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