第4話 王立高等学校と進化

お互いのステイタスを確認した後、二人はお互いの両親に許可をもらい、森に入ることができるようになった。


それから二人は、森に入り、魔物を狩り魔石を集めながら、新たな魔素溜まりを探した。


最初に設置したものに魔石を回収する魔道具をつけ、魔石回収も自動にした。


いくつか設置したことで二人の不労でレベルアップはさらに捗っていた。




しかし、こんなところで掃除機の知識が役に立つとは。




魔石自動回収の魔道具は、自動掃除機のイメージを入れ込み作成した。


これの完成により、経験値もお金になる魔石も自動で稼げるようになった。




ある程度設置した後は、スキルを鍛えるため二人で模擬戦をしていた。




「はあっ!!」




「えいっ!」




アルベルトの気合の入った木剣の剣さばきは、可愛らしい掛け声の元振われるアリスの木剣に軽く弾かれていた。




(ったく、強すぎるっ!)


アルベルトも最初のレベルアップからさらに強くなっているのだが、剣術ではアリスには敵わない。


最近わかったことだが、どうやらスキルは、進化をするらしい。


これは任意で行うらしいが、Lv1からのやり直しとなるため進化させる者は少ないらしい。




らしい。というのは、あのただでさえ化け物な両親が進化をさせることを決めたからだ。


もともと可能だったが、アルベルトが独り立ちできるまで待っていたらしい。


称号からわかるように、二人はかなりの戦闘狂らしく、アルベルトが独り立ちしたら、二人で旅に出るとのことだった。




別に、悲しくはなかった。なんたって、おれには、大天使・アリスがいるからな。




それよりも、せっかく追いつける希望が見えてきたのにスキルの進化なんてされたらたまったもんじゃない。


まあ、親の背中は追いかけるものなのだろう。






そうこうしているうちに、決着がつきアルベルトは地面に背中をつき、胸を上下させながら、空を見上げた。




「おつかれ、アルくん」




「ああ、おつかれさま」




アリスの手を借り、背を起こすとアリスが隣に座ってきた。




「ねえ、王立高等学校のことどうする?」




アリスが顔を覗き込みながら聞いてきた。




『王立高等学校』


それは、村から遠く離れた王都にある、歴史ある学校らしい。


ザックハードとエミリアもそこの卒業生だそうだ。




アルベルトとアリスは、エミリアからその話を聞き興味を持った。


なにせこの村の同年代は、アルベルトとアリスしかいないからだ。




流石に、人生を二人だけの人間関係で終わらせたくはないらしく、両親は行かせたがった。


まあ、おれとしてはアリスと二人きりでも良いが。




「そうだね。魔石を売ったらお金には困らないだろうし。世界を見てみたいから」




王立学校というぐらいだ、世界中から集まってくるだろうし、おれたちよりも強い人だっているかもしれない。


行くに越したことはないな。




「おれは行きたいかな」




「なら私も行く!」




しばらく他愛のない話をした後、お互いの家に帰って行った。






その日の夜、久しぶりにステイタスを確認した。






『名前』 アルベルト


『種族』 人間族  『性別』 男  『年齢』 八歳


『レベル』 52(Lv.up)


『HP』  4000/4000


『MP』  12000/12000


『能力』  S


『称号』  転生者  幸せを求めるもの  大罪保有者 (New)




『スキル』 


鑑定Lv8 (Lv.up) 剣術Lv9 (Lv.up) 魔力弾Lv10(Lv.up) 体術Lv6 (Lv.up) 魔力操作Lv9 (Lv.up)


隠蔽Lv3


『ユニークスキル』


魔力・魔法設置 全言語理解 魔道具製作 怠惰




『加護』


幸福の神の加護 武神の加護 魔神の加護








前回から一気に強くなった。


さすがは不労の力。MPに関しては、エミリアを超えたがそれはあくまで鍛えていない今の状態でだ。


また旅に出てきた絵始めたらどうなるかわかったもんじゃない。




それに気になるものがいくつかある。


『称号』大罪保有者に『ユニークスキル』怠惰だ。




大罪保有者:七つの大罪をひとつでも保有するものが取得する。他の大罪保有者を見つけやすくなる。ひとつの大罪の保有者は世界に一人だけ。大罪保有者を殺すと対象の能力を奪える。




怠惰:動かずに一定以上の経験値を入手したものが手に入れる大罪能力。休んでいる間、HP/MPの回復速度が上がる。






これはすごい。不労を目指す者にとっては、お似合いのスキルだ。


だが、大罪保有者としてのデメリットもあった。他の大罪保有者に狙われやすいとのことだ。


それにしても休んでいる間というのは、魔道具を作っている時も入るのだろうか。それだとしたら、いちいちMP消費を気にせず魔道具が作れる。






そんなに世の中うまくはいかなかった。


魔道具の作成は、労働になり休みには入らなかった。








そしてついに魔力弾がLv10になっていた。これはポータルに設置した魔法は、使われるたび設置者の経験として加算されるからだ。寝ている間も自動で打ち続けたことになるため、Lv10に到達するのが早かった。




鑑定してみると、




魔力弾Lv10:魔力弾を極めた証拠。進化可能。




これだ。進化ができる!


両親は、これからだと言っていた進化が今できる!


これはやるしかない!




魔力弾を進化するように念じてみた。するとステイタスから魔力弾が消え、新しく




「不可視の魔弾Lv1」というものが出てきた。




不可視の魔弾:見えない魔弾を放つ。しかし、魔力に敏感なもの、格上のものは視ることができる。




これはいい!


早速、ポータルに設置しよう。




そう考えながら、新しい魔道具を思いつき、早速取り掛かった。










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