第2話 天使と初陣と

衝撃的なステイタスを見た後。気にしないことにしたアルベルトは、自身のスキルを鑑定してみた。




『ユニークスキル』・・・Lvは存在せず、ある条件を満たした者に発現する。


魔力・魔法設置・・・任意の場所に魔力もしくは魔法を設置し自動もしくは任意で効果を発する。他人の魔力も使用可能。 MPは、設置時のみ消費する。


全言語理解・・・世界に存在するありとあらゆる言語を理解することができる。


魔道具製作・・・MPと素材を消費し魔道具を作成する。使用者のイメージ次第。




お、お〜。これはなかなか。


全言語理解はもちろんのこと、魔力・魔法設置は使いどころ満載だな。今度検証するか。


魔道具製作も、魔力・魔法設置、それから前世の知識があれば、なかなかいいのができると思う。




やりがいのある人生になりそうだ。




ちなみに父の剣気は、字の如く剣に気を纏わせ、剣自体を強化するようだ。これに限界突破が加わり、身体能力も上昇するとか訳がわからん。




母についても、全属性魔法で魔力弾に属性を付与し放つそうだ。こちらは、主に遠距離攻撃だが近づいても最後、圧倒的な体術に限界突破で瞬殺される。理不尽にも程がある。




この二人のことは気にしてはダメだ。論外すぎて話にならない。




唯一二人になくて、おれだけにあるものとすれば、『称号』転生者だ。


称号を鑑定してみると、




転生者・・・一度人生を終え、神によりやり直しの機会を与えられたものの称号。 転生者特典(成長速度上昇・HP/MP最大値限界なし・スキル取得促進)




はは〜ん。これは、あの二人に勝てるものができた。とにかくHP/MPの最大値を上げよう。設置でできることが増えそうだ。




ひとまずの目標を立て、今できることをやることにした。










六年後、アルベルトは七歳になった。


歩けるようになってからというもの、家を飛び出し魔法を使ったり異世界を堪能していた。


六年たった今、アルベルトのステイタスは大きく変わっていた。




『名前』 アルベルト


『種族』 人間族  『性別』 男  『年齢』 七歳


『レベル』 1


『HP』  100/100


『MP』  800/800


『能力』  C


『称号』  転生者  幸せを求めるもの




『スキル』 


鑑定Lv4 剣術Lv2 魔力弾Lv3 体術Lv2 魔力操作Lv5




『ユニークスキル』


魔力・魔法設置   全言語理解   魔道具製作




『加護』


幸福の神の加護




両親に鍛えられたおかげか、バランスよくスキルを手に入れることができた。






実家は、名も無い小さな村に存在していて、周りには同じような家がいくつか建っていた。




村の住人とも関わりを持っていた。




「ラムダおじさ〜ん」




「お〜アル。朝早くにどうした」




「アリスいる〜?」




「あっ、アルくん!!」




最高の笑顔を向け挨拶をしてくれる。




かわいい。この笑顔守りたい。




初めて会った時確信した。この笑顔を守るために、この子を幸せにするために転生したのだと。




「アルくん今日は何するの?」




「うん。今日は、森に入ろうと思ってるんだ」




「森に?大丈夫なの?」




「ちょっとした実験をするだけだから大丈夫だよ。それに何かあっても守るから」




ちょっとませたことを言ってみた。




「あ、ありがと・・・・・」




特徴的な赤い髪を揺らしながら、頬を赤らめた。




かわいい・・・。








アリスとともに森へ入りしばらく歩くと目的地が見えた。




視線の先には、魔素だまりができており、魔物が生まれていた。


魔物には一定以上の強さを持っていない奴は、ステイタスを持っていないらしい。




つまり、目の前にいる”ゴブリン”や”スライム”達はそれほど強くはないということだ。




しばらく息を潜めていると、




『スキル』


気配遮断Lv1


を取得しました。




と久しぶりにアナウンスが聞こえた。




「ねぇ、今スキルを手に入れたんだけど」




と、同じく息を潜めていたアリスが背中をつついた。




「ちょっと待ってね」




そう言ってアリスを鑑定してみた。






『名前』 アリス


『種族』 人間族  『性別』 女  『年齢』 七歳


『レベル』 1


『HP』  200/200


『MP』  500/500


『能力』  A


『称号』  勇者の卵 




『スキル』 


剣術Lv2 気配遮断Lv2




『ユニークスキル』


聖剣(使用不可) 剣気 限界突破




『加護』


最高神の加護(隠蔽中)






・・・・・・・。




なんでだろう。オレの周りはこういうのばっかりだ。




だが関係ない、アリスがなんであろうと、どこにいようと守ると決めた。




「取得してたよ。剣術も持ってるみたいだね」




「ほんとに!?私も戦える!?」




「戦いたいの?」




「うん!アルくんと一緒に!」




・・・・・オレの前に天使が降りた。




「よし!なら初陣だ!」




今、目の前にいる魔物を倒してあるものを置きたいと話したところ、二つ返事で了承してくれた。






無事に倒した後、オレは初めて作ったある魔道具を設置し、アリスと二人分の魔力を注いだ。


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