第3話 私の心はーーーー

感情とはーーーー

時に、人格や個性を無視し、体を強制コントロールするものだ。

しかし、そのも多種多様存在する。


時に、相手から『ありがとう』と言われたとき、

それは『嬉しい』と言う感情になり、


時に、声をかけても返事が無かったり、無視されたとき、

それは『悲しい』と言う感情になり、


時に、自分にとって不都合なことや貶されたとき、

それは『怒り』と言う感情なる。


そして、何も無く、何も起こらないとき、

人は『無』と言う感情になる。エトセトラ


このように人間は、沢山の感情を持っており、そして、

それら1つ1つに意味がある。


しかし、複雑な感情ほど、それを人に伝えるのが難しくなってくる。


例えばーーーーーーーーーーーー






それらに既読感があり、それぞれにいろんな愛が込められている物を見た時の感情。




部屋の扉を開けて中を覗いたとき、一番最初に受け取った感情だ。


部屋の中はきれいに整理整頓されており、全ての家具が青色で均一されていた。


扉を開けたすぐ右手側に分厚い本がぎっしりと並べられた、

6段の本棚が置いていた。

部屋の真ん中には、折りたたみ式の小さなテーブルがあり、

その奥、部屋の奥側の壁にピッタリとくっつけるように、

大きめのベッドが置いている。あの時のログハウスのベッドほどの大きさだ。


ここはとリサが言っていたが、それにしてはまだ使われている部屋のようだった。

テーブルや本棚に人差し指をスッと擦ってみた。

しかし指にはホコリが付かなかった。


まるでこの部屋に住んでいたの帰りを待つように、別の誰かがこの部屋を管理しているみたいだ。


するとーーーー


高野 彩夏たかの あやか

ここは彼女の部屋だったんだよ。」


渋く大きな声が真後ろから聞こえた。

突然のことに驚き、その勢いで後ろへ振り向いた。


そこには、背が高く、彫りが深くてくっきりとした顔立ち、

きれいに整えられた口ひげに、ふわっと、くるくるとしているロングヘアーのダンディなおじさんが立っていた。


「でも、どうしてこの部屋に客人が……しかもまだ幼い子供の」


そのおじさんは顔を少し傾けた。


「あ、あ、あの……私、は、客人、じゃ、なくて、あの、

その……」


「つまり、不法侵入者ってことかな。なら、その小さな頭を落とさないとーーーー」


おじさんは腰に付けている剣を抜いた


「待って下さい!お父様!」


すると、その後ろから好青年が声を荒らげて言うと、おじさんの手が止まり、私に向いていた刃先を下にした。


「あ、あの、わ、私はーーーー」


「彼女は私の大切なメイドです」


私の声を遮るように好青年が言った。


「この娘がフロスヴェトのメイドと?ならメイド服はどうした?!それにこの娘は客人では無いと言っておる」


おじさんがフロスさんの方を向き、声を荒らげて言った。


「その子はさっきメイドになったばかりの新入りです。

なので服も無いですし部屋もありません。そして、その部屋をここに提案したのはこの私です」


「新入りか、そうなんだな?小娘……ッ……!!」


おじさんが私の方を振り向いて聞いた。


「は、はい……わ、私は、フ、フロスさん、の、メイド、です」


おじさんは私を見ると驚いた表情をした。


「な、……!か、かわ…………かわいい!!!!

大きく開いた瞳孔に、涙をせき止めよう頑張る小さな目尻!薄い赤色に染まった鼻がピクピクと動いて……ッ!!

おえつを我慢して声を出そうと震え、横に広がる口角をこの小さな口でッ!!ああぁ!!なんと……尊い、胸のざわつきが止まらない!!それにこの手!!手と手を重ね、胸に押し当て、自分の身を守るように肩を狭めている……そして、幼女の人権ぺたん座り!!あぁこの姿!!そしてこの脚!!

あぁ……この細く透き通ったきれいな色の……

ふ!と!も!も!ああぁ……ほっぺすりすりしたい!さわさわしたい!もちもちしたい!ああぁぁぁ!!脳汁と共にその

言葉が溢れ出てくる!!胸が、頭が、腰がぁぁ張り裂けそうだぁ!!」


彼はそう言いながら数名のメイド服を着た女性とガタイの良い男性たちにどこかへ連れて行かれた。

私の中で女性にも容赦しない怖いイメージだったおじさんが、ある意味、女性にも容赦しない変態なおじさんのイメージに変わった。


「私の父が申し訳ないことをしてしまい、すみません。

怖かったと思います……けどもう大丈夫ですよ。

私が居ますから。」


フロスさんは私の方に近づき、腰を屈めて手を差し伸べた。


「ありがとう……ございます」


差し伸べてくれた手を掴み、腕に強く力を入れ、立ち上がった。

「チッ」


「!!?」


「この部屋はどうですか?家具も必要最低限揃ってますし住むには丁度いいと思いますよ」


「そ、そうですね……」


「それで決まりですね!じゃあ涙を拭いて気が落ち着いたらリサと合った場所に来てください。」


そう言って彼は部屋を出た。

さっき舌打ちが聞こえたような気がしたが、気のせいだろうか。


何とか一段落ついたが、まだ用事があるようだ。

1階に行って何をするのだろうか。

それよりもあのおじさん…………

高野 彩夏と言っていたような……

もしそうなら、私の姉はここに来ていた可能性がある。


私の姉の名は、高野 彩夏たかの あやか

同姓同名の別人かもしれないが可能性はゼロではない。




生き別れた姉と再会できる可能性が浮上し、ここでメイドとして生きることを決意した。



涙を指で拭い、軽く頬を叩き、部屋を出た。

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