第2話 のじゃロリ金ぴか花魁系幼女かなめ
「……まーたお祈りメールか?」
だが恐る恐る開くと、メールの件名は
【面接日時のお知らせ】
まずは良し!
だが喜んだ直後、社名を見て俺は首を傾げる。
「御座敷不動産……こんな所にエントリーシート出したっけ?」
一瞬頭を捻るが、こんだけ受けてりゃ忘れてる会社くらいあるか。ってよくみたら面接明日じゃん!
こうして翌日、俺はメールに書かれた面接場所に向かった……が。
「本当にここで、良いんだよな……?」
辿り着いた先にあったのは、どう見てもただの廃ビル。ひびだらけの外壁を見ていると看板がみつかったが。
【産動不敷座御】
左右逆じゃねぇか! 戦前かよ!
気を取り直して、びっしりと細かな模様が刻まれたアンティークなドアの前に立って衝撃的な事実に気がつく。
インターホンがねぇ……。
代わりとばかりにドアの前に、ライオンの頭を模したドアノッカーがででんと鎮座している。だから本当いつの時代だよ!
本気で営業してるのか怪しくなってきたので、ノッカーを叩きつつ反応がなかったら帰ろうと思っていると、スッとドアが開く。
一体どんな人がでてくるのかと身構えていた中――現れたのは金箔和服姿な幼女だった。
しかもアクセサリーなのか、頭に狐耳がついている。
……はい?
「おぉ、待っておったぞ。お主が
……まさかこの幼女が社員? ってそんな訳あるかよ。きっと社長のお孫さんとかだろう。そう思い促されるままに応接室に入り中を見渡す。
右。誰もいない。左。誰もいない。前。やっぱ誰もいない。下。金ピカロリ。
「えぇっと。お嬢ちゃん、会社の人が見当たらないんだけど……?」
「むぅ。何やら失礼な事を考えておるのは手に取るように分かるが、わっちは寛大じゃからな。わっちこそが、この御座敷不動産の社長かなめじゃ。ほれとっとと座らぬか。お主の面接やるぞよ」
ぺったんこな胸を逸らしドヤ顔してから、こじんまりとした応接室のソファーにポスッと座り、こっちこいとばかりに手招きする幼女。
――待て。混乱するのは当然だが冷静になれ俺。どう見ても馬鹿にしてるとしか思えないが、もしかしてこれは試されてるんじゃないか……?
そうさ、こんなボロボロの建物から幼女が出てくる時点でおかしいんだ。もう面接は始まってる。考えて見れば不動産ってのはバリバリの接客業。こんな突飛な状況でも冷静に社会人としての礼節をもって対応できるか。多分奥にいる面接官辺りがそれをチェックしてるはずだ。危なく帰る所だったぜ……。
そう思いなおし促されるまま、アンティークな椅子に座り背筋を張る。
「さて。
「はい! 本日は宜しくお願いします!」
さあ何から来る? 不動産業の志望理由か? 学生時代に打ちこんだ事か? なんでも来い、こちとら面接なんざ嫌ってほど経験済みだ。どんな質問でも顔色一つ変えずに答えてやるぜ!
どんなボールが飛んできても受ける気で身構えていた俺に
「では聞くが。お主、幼子についてどう思う?」
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