第57話 「物語は うんざりするほど この世に満ちている。」詩人に戻れたぜ、パンダ(笑) ㉑
「それは知っておいたほうがいい。自分が何を本当に望んでいるのかということはな」
『マイク』アンドリュー・ノリス
『欠けた願いを。取りに来い』
自分の望みなんて
わかるはずがない。
ずっとそう、おもってきた。
世界はある日、たやすく壊れてしまう。
大きな津波で
天が抜けたような大雨で
些細な停電で
世界は一瞬でこわれてしまう。
なじんだものが何ひとつない場所で、
私たちはただ
目を開けて、見る。
自分が手にしたいと思っているものは、何だろう。
気がつけば。
世界の端から、明日が輝いて見える。
ここへ。おいで。
きみが欲しいと思っているものは
ここで預かっている。
受け取って
歩きはじめていいんだ。
世界がたやすく壊れた後。
私は声を聴きました。
望むものを
とりなさい。
必要だと思えるものではなく
正しいと聞こえる声ではなく
きみの望むものを
とりなさい。
私は小さな物語に手を伸ばした。
恋人たちが空を飛ぶ物語
過去をあずけたリスの物語
首をかしげて絵筆を走らせる画家の物語。
預かった物語を
ひとつずつ、文字に置き換えていく。
それが
私の望みです。
声が届かない高さまで
闇をつらぬくはしごを組みあげていく。
それが
私の仕事です。
今宵も、無口な空を見上げて
雨が降るのを待ちましょう。
物語は
うんざりするほど
この世に満ちている。
★★★
最近のパンダは、子どもといっしょにジュブナイル作品を読みはじめました。
数十年ぶりに読むジュブナイルは、すっかり進化していて。
子どもだまし、というレベルのものはひとつもなくて。
パンダはすっかり夢中になっております。
中・高生に読まれたい。
人生で一番、活字を読まない年代に、読まれるものを書きたい。
そう、願っています。
願いとは。言葉にして世に出した瞬間に、もうはんぶん、叶ったようなものです。
あとは。
書くだけです(笑)。
パンダも、一歩ずつすすんでいます。
みなさまの戦いも。そっと後押ししにまいります。
ともに。
この世に、伝えたいことを持っている人間は、強い。
つまり。
あなたは強いのです。
今宵は月も出ぬところが多いようです。
おやすみなさい。
また。あしたね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます