第35話 「あなたは消えた ハゼ釣るごとく」よしっ、パンダは詩人だ⑧

『あの人に会いに 穂村弘対談集』穂村弘より


「この駅ほんもの?」穂村弘


★★★

『あなたは消えた ハゼ釣るごとく』


あなたは消えた。

足もとで、ハゼが揺れる

水紋をぬい、

ハゼを釣る。


見えるものは、釣りあげられる。

わたしの奥底にある

夢のごと


やがて真実となる

夢のごとく


ハゼを釣る



★★★

これはほんものか?

この疑問は、書き手が常に持つべきだと思っています。


この感情は、本物か?

この言葉は本物か。

真実と、うその境目はつねに流動的です。足元をおよぐハゼのように。


佳き書き手でありたければ

境界線を、見破ることです。

裂け目に手を突っ込み

世界を引きずり寄せる。こちらへ、と。


見ているものには、必ず手が届く。


そうゆうことです。



境界線を越えたなら。

あとは。

疾走すべし、パンダ。



追い風に、のるぜ(笑)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る