第34話 「手のひらに、黄金を」だんだん詩人から遠のいていくパンダ⑦


『あの人に会いに 穂村弘対談集』穂村弘より

「編集者だったり、ギャラリーだったり、評論家だったりさ、いい相棒がいないとダメなんだと思うよ。」荒木経惟



『手のひらに、黄金を』


世界でどんな形も見つけられなかった朝

私は黄金の花に、出会いました。

見たこともないほどに優しく

触れたこともないほどに温かい


その花は、いつも揺れていたのに

当たり前すぎて

言葉にするのも忘れていました。


今さらですが。

あなたに感謝を。


私がまた息を吸えるように

黄金の言葉を差し出してくれた

あなたに

感謝を。


今度は私が

この指を あなたに。

ささやかな言葉を添えましょう

愛していると




★★★

この世の風は、つねに一方へ吹いているわけではない。

逆風は、いつか順風となり

背中を押す。


そんなことが分からなくなる瞬間があります。

水ぎわもこれまでに一度か二度、散った花の底の底で、起き上がる角度すら思い出せないことが、ありました。


そんなとき。

助けてくれたのは、親友たちでした。

言葉をくれた人もいたし、

具体的な助けをくれた人もいた。

食べ物を運んでくれた人もいました。


たくさんの支援の後ろには、つねに信頼できる愛情がありました。

そういう恩をどうやって返そうか、と考えていた時

言われたことがあります。


『受けた恩は、他の人へ送ればいい。恩送り、というものがあるんだ』


今は。

水ぎわの浴びた慈雨のような恩と愛情を、どこかへ返すときだと思います。

だからあなたに。

ささやかな愛情を。


水ぎわの受けた恩にくらべれば、とても小さなものですが。

小さな愛情を。


どうかあなたが、今夜もねむれますように。



……でさ。おやすみ前のナイトキャップに

ちっちゃいネンネタ、出しとくわ(笑)。


ある朝、登校前のクッソ忙しい時間に、ネン(仮・13歳)が2枚の学校指定ジャージの前で仁王立ち。腕組みをしていた。

「ぷふーーー。どっち着ていくかなああああ?」

アホおしゃれヤロウ(笑)


学校指定のジャージっつうのはな、

どれも同じライン、同じカラー、同じもんなんだよっ!!!

とっとと着替えて、学校へ行けやああああ!!



こんな。

毎日です(笑)

ちょっとでも笑えた(笑)?


では。

今宵も佳き時間をお過ごしください。

水ぎわより、愛をこめて。



……だーかーらー!

なんでジャージを3枚とも一緒に洗濯に出すんだようううう!

「洗い替え」って言葉を、オマエが寝ているあいだに後頭部へハゲ代わりに入れとくわ!


も。いや(笑) 親って大変すぎる(笑)

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