第10話

 空が焼けている。今日もいい焼き具合。


 わたしは伸びをすると、食材を入れたエコバックを自転車の籠に入れて、ペダルを漕ぎ出した。向かうのはもちろん、朔宵神社だ。


 あれからというもの、みんな早起きが板についてしまって、せっかくだから朝ごはんも一緒に食べるかということになった。こども食堂の再開だ。


 石段の下で学生服を着た男の子が手を振っている。わたしはペダルを大きく踏みこんだ。彼にかける言葉はもう、決まっている。


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夜明けの瞳 絵空こそら @hiidurutokorono

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