第3話 ルカ
アランというなかなか強いやつが現れたらしい。年は私と同じ20のようだ。今日は来るだろうか。日曜日にこないならそれまでのやつだ。きたらボコボコにしてやる。それまではこの雑魚たちの相手でもしてよう。
お腹が減ったので、とりあえずポテトを注文して、巨大なモニターの前でくつろいでいると遠くで歓声が湧いた。奴がきたのか。ラッセルと一緒にいる。ラッセルの友達か?
「アランがきたぞ」
「ほんとだ。今日も見せてくれよ」
「今日はルカもいるぞ。どっが強いんだ」
何を言っている。私に決まってるではないか。しかもあいつは私にボコボコにされたのを忘れてるのか!?まぁいい。とりあえずは挨拶だ。
「やぁ、ラッセル?そいつはお前の友達か?」
「ルカ。そうだよ。戦いたいだろ?」
もちろんさ。なぜか知らんが、私とアランどっちが強いかを気になってる奴らが大勢いる。私に決まってる。早くわからせなければ。
「もちろん。君がアランだね。噂には聞いてるよ。ずいぶん強いらしいね」
「まあ、強いよ。自覚はある。あんたに勝てるかはわからないけど。ラッセルから話は聞いているよ。相当な腕なんだろ。おまけに美人。ゲームなんかやらないでキラキラした生活もできるだろうに」
「君はわかってないな。人生は勝ち負けがあるから楽しいんだよ。だから私はここに来てる。君もそうなんじゃないのかい?」
「俺は暇つぶしだよ」
嘘をつけ。知ってるよ私は。私と同じ匂いがぷんぷんする。勝負の世界が大好きなんだろ。まぁ絶望を味わってもらうけど。
「マスター。15時からいいかい?放送を頼むよ」
「はいよ。ルカ。」
「アランも15時からでいいよな?」
「ああ。じゃあ20分後。手加減はなしで」
当たり前だ。真剣にやるから勝負事は面白いのだ。
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