第3話 些細な幸せは、すぐに慣れてしまう

小学校入学、この春僕は6才になった。ピカピカの一年生だ、学校は楽しい場所だと言われた。

周りの子は楽しそうに会話をしている、自分も混ざりたい。緊張しやすい僕が、誰かと楽しそうに話している、姿を想像する、想像は現実になった。


「今日、学校終わったらいつもの公園で!」


「おう!わかった」


クラスメイトと仲良くなった。まだ友達と呼べるほどの中ではないが、学校で顔を合わせるたびに、心がリズムよくはねる感覚を感じる。

次の日も遊び、また次の日も遊び、毎日の繰り返しだ、楽しいんだ!


そしてクラスに馴染み1ヶ月が経った頃、席替えがあった。

新しい席の隣には、周りのクラスメイトとは、少し違う雰囲気を放っている、女の子が座った。その子の名前は【小鳥遊 琴人って名前だ】


「よろしく!」


僕がそう言うと彼女はただ笑顔で


「うん」


頷いただけだ。

やはり、小鳥遊だけが他の人と少し違う。

僕と同じ感じ、緊張しやすいタイプなのかな?それにちょっといい匂いがするw

僕は6才になり、はじめての初恋を体験した。


理科の授業かなんかで身体についての授業を受けていた。なぜ、人は感情があるのか?と言う内容だった。人間は楽しいことをしている時に笑い、悲しんでいる時は泣いてしまうのか?それを各々の意見を共有する授業内容だったと思う。

そして、先生が言った。


「楽しくなることはいつでもできますよ!」

「ホントに~」「どうやってなるの~」


先生の問いに対して一同が疑問を持つ。


「では、起立!」


先生が合図した。まだ、授業が終わる時間じゃないのになんでだろう?その場にいた、全員がそう思った。


「これからダンスをします!」


「え?」


いきなりだ!


「なんでですか~?」


1人の生徒が問いかた


「楽しくなるからですよ!さぁ!隣の席の人と手を繋いで!」


そうい言うと先生が手拍子をとる

周りの生徒が次々と隣の席の人と手を繋いぐ、皆ノリノリだ、では、僕も


ん!!!!


(ちょっと待てよ!先生は今、【隣の席の人と手を繋げ】って言ったか!)

「隣の席って...」(‼︎‼︎‼︎)

そんな!


1人だけ、ただ1人だけ動揺していた。皆、それぞれ、手を繋いだ。


「どうしたの早く手を繋ぎなさいよ!始まらない」


「お...おう」


他の生徒に急かされたので、片思いしていた。小鳥遊(彼女)に目を合わせた。一瞬間ができた、


(やばい!嫌われたと勘違いされる。それはまずい。)


ギュ!


「ん?」


彼女の方から手を繋いで来た

彼女の顔を見た  照れ臭そうな笑みで


「踊ろう!」


「っ‼︎‼︎」


これは、まさか!まさかなのか!


彼女も僕のことが好きなのか‼︎


そこから、ほんの1分 短すぎる彼女とのダンスに、幸せを感じた。幸せな時間は短く感じるというが、あれは嘘だ!と断言できる。


学校から帰ると先生から出された、宿題をやる。宿題は嫌いだ!

サボりたいのだが、僕のデスクはおばあちゃんが当時、ちょっとしたカフェを営んでおり、毎日そこで宿題をやることになっていたのだ。

そして、仕事から帰った母がそのカフェでコーヒーを飲む。

そして、母の口から出た次の、セリフは


「金がない」


実はこの日の少し前に、従姉妹の兄と僕と母で、バッティングセンターに行っていて小銭を使い果たしていたのである。

次のおばあちゃんがとった行動は、レジの引き出しを開けて、お金を手に取り、それを母に渡す姿だった。

何か、微かな、何かだったが僕は不安を感じた。


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初恋、良いですよね。初恋の相手誰ですか?って質問すると大体の人はほぼ、的確に答えられるんでよ。それぐらい恋愛というものは人間にとって大事みたいですね。僕も愛されて産まれたのかな?それはこの先のお話で、

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