第4話 産まれて初めての初恋である
「はっけよーい!っのこった‼︎」
「うおーーーー!!」
何をしてるかだって?掛け声を聞けばわかるだろう
小学一年生の夏休み前
今日は、体育の授業で相撲をやっている。
運動神経は学年で言うと、真ん中から少し下ってくらいだ。
どうやら、この真田宗善(さなだ むねよし)様には運動という才はないらしい。
というか、相手が悪い。
相手の外見的な特徴はまず、ぽっちゃり体型である!しかも、性格がバカ真面目なくせに、感情的になりやすい。
僕が一番苦手なタイプだ!
掛け声が、広い校庭中に響き、取っ組み合いをする。
「やっぱこいつ硬い!びくともしない!」
「うおーーー!!」
(てかこいつ声うるせ~)
パワーと体型の差で、もはや実力の差は歴然
【あきらめた】
僕は脚の力を抜き、砂の摩擦を利用して、
負けた
「いや~無理無理w」
うん!無理だ。
相撲はトーナメント戦で動いていき、優勝したのは、やはりあの熱血野郎だった。
まぁ当然だな!てか皆、半ば諦めてたしなw文句ない。完敗だ。
トーナメントがあの熱血野郎のおかげで早く終わったら、先生の声が聞こえた。
「男子~!先に着替えてきて!女子がまだやっているのよ!」
男子たちは教室に戻り、体操着から私服に着替えに行く。その道中に女子グループが相撲をとっていた。通り過ぎる手前。僕は足を止めた。
小鳥遊琴人(たかなしことり)の番だった
組み合っていたのは、クラス学級委員だ!
(皆の信頼がある相手と戦うなんて、くじ運ないんだな。完全に皆、委員長を応援してんじゃん)
「はっけよーーい!のこった‼︎」
僕はただ、無言で観ていた、ずっと2人の試合を見ていた。
「おーーい!何してんだよ!早く教室に行こうぜ!」
クラスメイトが話しかけてきた。でも、僕の身体は動かない。
「(おかしい、おかしいんだ!彼女が、小鳥遊は、僕と同じで、人見知りで、大人しい性格だったはずだ!僕はそこに惚れたんだ!だが)」
「おーーー!!スゲー!良い試合じゃん!」
周りの男子も足を止めた
めちゃくちゃ全力で組み合っていたのだ!
先生が実況していた
「決勝戦です!お互いに引かない!どちらが優勝するのか!」
「え!こっ!これ決勝戦なの?!」
なんと!僕が絶賛片思いしている小鳥遊が決勝戦を戦っていた。
熱くなった。思わず声が出てしまった。
「がんばれ~!」
接戦だ!すごい組合いだ!
(これが女の戦いというものか!)
小鳥遊が押されたと思ったら、負けじと押し返す。
「いいぞ!」
押し返したと思ったらまた、押し返される。
なんてすごいんだ!女の戦いは!
結果は、引き分けだ。お互いに体力が尽きたのか、砂の地面に足を取られ、同時に、横に倒れた。
すごく良いものを観た!彼女の新しい一面が見れた。
勝てないと思い、すぐに諦めた僕とは大違いだ。尊敬する。そう、心から讃えていた。
明日から運動、頑張ってみようかな~
「おい‼︎‼︎」
「うわ!」
審判をやっていた先生が普段から見たことがない鬼のような目つきで、ありえないようなドスの効いた声で僕を睨んでる。
「ぅ!」
恐怖を感じた
それは、ボーっとしている生徒に対して、気軽にこえを掛けてくれる、フレンドリーな先生でも、生徒の失敗を見て励ましの言葉をくれる優しい先生でもない。
「何やってるんだ‼︎‼︎ 早く着替えろ‼︎‼︎他の男子は教室に行ってるぞ‼︎‼︎」
僕は声が出なくて、なんて返事したらいいのか、分かんなくて、涙目になって教室に帰った。何か、すごく不安を感じる。気のせいかな?
「泣き顔...小鳥遊に見られたかな?一瞬目があったな。最悪だ!」
小鳥遊の試合を観て、勇気づけられたはずなのに、なんで、こんなに怖いんだろ?涙が出るのだろう?
「あれ?なんで泣いてるの?」
クラスメイトが気づいてしまった。
話すべきか...いや、やめとこう
急いで教室に入り、私服に着替える。
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皆さんも、先生に怒られたこと、ありますか?僕はしょっちゅう怒られてました。教師というのは、全職業のトップレベルでブラック職業みたいですね。最も、子供の立場だと理解できないんですが。
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