一日一編集『七月の映画』

映画『昔のテンポにのせて』

見つけた学校に

　 〇 ケン

　 〇 ケン

〇〇 パッ

地面に書かれた

それ

が、懐かしさを思い出させる

昔はアスファルトに書いて

近所のガキと遊んだな

すっごく昔で現実味がないが

確かに遊んだと思う

そのリズムが好きで

チ、ヨ、コ、レ、イ、ト

ぱ、い、な、っ、ぷ、る

アト、ナンダッケ

今日、外から聞こえた遊び

まだ流行ってんだなあ

て、想う

昔、学校の階段で

なんべんも　なんべんも　なんべんも

踊り場の光りを浴びながら

ひたすらジャンケンして

放課後をすごしていた、はず

昔すぎて本当かどうかだったが分からない

テレビの見過ぎとか

国語の授業とか

そんなんで習ったかも知れない

遠くなのに

近所の子どもは

一輪車に乗るし

縄跳びもしてるし

ワタシには擦り切れたシネマのよう

あのテンポがよくて

さよならを言う昔が映画のように見えた

あそこにいるのは近所の子ども

ワタシではない

映画としては凡作すぎた