自室にて
ベッドの上。ごろごろと本を読む少年。
だが集中出来ていないようだ。毛布を滅茶苦茶にしては直してを繰り返す。
また整えた毛布を滅茶苦茶にする。
そしてどうしようもないという風に机の上のスマートフォンを持ち出す。
目に入るひとつのアプリ。
何かのゲームだ。
少年はどこか“蒲団”的な心待ちでそのアプリを開く。
眺める。
フレンド一覧という項目が目に入りそれを選択する。そこには一人だけ苗字だけの者がいた。
少年は個人チャット欄を見つける。
布団の上。ごろごろとゲームをする少女。
別段楽しそうではない。
ふとメッセージに気づく。果てしない長文で石川啄木の言い訳を思わせる長さだ。
内容の半分は謝罪で半分は口にするには酸っぱいものだった。
少女、悶える。そして毛布とお気に入りであろう熊もどきのような人形を滅茶苦茶にする。
一呼吸置いて、長文で返す。
そして最後に二言。
サボる二人 鯖缶/東雲ひかさ @sabacann
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