陰キャ豚男の逆転人生

閑話 私の悩み

　私──桜沢吹雪（さくらざわふぶき）は、今凄く悩んでいることがある。

　それは、幼馴染の俊が学校に来ていないことだ。

　俊が来なくなった理由は何となくだが知っている。多分佐久間達の仕業だろう。と言うか、佐久間達で確定している。なぜなら私は佐久間達が俊の机に悪戯をしているのを見ていたし、俊が佐久間達に囲まれてリンチされているのも見ていた。もちろん私は助けようと思った。大切幼馴染なんだもの。だけど私はあの時怖くて足が震えていて動かなかった。そして遂に私は怖過ぎて、助けるという意思に反して逃げてしまった。

　それからどうにか俊を助けようと思って一緒に登校したり、学校で話しかけたりしたけど、俊は私に一言も話さなかった。多分１人で抱え込んでいるのだろう。

　私にはどうすることも出来なかった。

　それから俊は学校に来なくなった。どうやら私がいない朝の時間に、佐久間がクラスのみんなを味方にして、俊を追い出すような事があったらしい。

　それから私は俊が心配で何度もL〇NEを送ったが、「大丈夫だから」とか「心配しなくていい」とか……やはり俊は私に一言も話さなかった。正直こんなに信頼されてなかったなんて思わなかった。それから私は俊に連絡するのをやめていた。しつこすぎて嫌われるのは嫌だから。

　俊が来なくなってからというもの、佐久間が今まで以上に絡んできた。正直大嫌いだからやめて欲しい。私の大事な幼馴染を傷つけた人なんだから大嫌いなのは当たり前だ。だけど佐久間はクラスの人気者。そんな人を敵に回したらどうなるか分からない。だから私は嫌でも必死に猫被って関わり続けた。

　そんなある日、私は佐久間に校舎裏に呼び出された。

「好きです。付き合ってください」

　そう言われることは知っていた。校舎裏に呼び出してすることなんて告白かいじめくらいだ。

もちろん私は、

「ごめんなさい。好きな人がいるのであなたとは付き合えません」

振った。そんなの当たり前だ。大嫌いな人なんだもの。

「そうか。その好きな人って上江俊のことか？」

　佐久間は少し怒り気味で聞いてきた。

「さあ、どうでしょうね」

　私は肯定も否定もせずそう返すと

「なんであいつなんだよ。あんなデブで陰キャのどこがいいんだよ！」

　すると佐久間は私に振られて悲しかったのか逆上してそんなこと言ってきた。

「少なくともあなたなんかよりは全然優しくて好きだわ。と言うかあなたなんてどうせ顔で私を選んでるんでしょ？あなたに俊の何が分かるって言うの？」

　私もついカッとなってしまった。

「ちっ。うっせぇんだよ」

　佐久間はそう言い走り去ってしまった。

　そして月日は経ち、春になった。

　あれから佐久間が絡みに来ることは無く、学校生活に不満はなかった。だけどやっぱり俊は一度も学校に来ず、私達は進級した。

　結局私は嫌われるのが怖くて連絡を取れなかったし、そもそもなんて声をかければいいか分からずに困っていた。

（本当に……どうすれば学校に来てくるの……俊……）

　長くなってしまったけれど、これが私の悩みである。

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読んで頂きありがとうございます。次話更新は日曜日を予定しております。

ラブコメ要素どこにあるんだよ！って思っている方、もう少しお待ちくださいm(_ _)m

小説書くのって楽しいけど難しいんだよね。。。